東京大学、「東京大学における人文社会科学の振興とその展望─東京大学人文社会科学振興ワーキング・グループ最終報告書」を公表

2021年2月17日付で、東京大学が「東京大学における人文社会科学の振興とその展望─東京大学人文社会科学振興ワーキング・グループ最終報告書」を公表しました。

東京大学では2015年に制定された「東京大学ビジョン2020」に基づいて、「人文社会科学分野のさらなる活性化」の課題に取り組む「人文社会科学振興ワーキング・グループ」が2016年度に設置され活動を継続しています。同報告書は「東京大学ビジョン2020」の最終年度を迎えるにあたって、ワーキング・グループの所掌として企画立案し実現に取り組んだ事業の総括、ワーキング・グループ所掌外で取り組まれ人文社会科学振興に資する各種事業の紹介、ワーキング・グループの5年間におよぶ議論のなかから重要と考えられる論点を「総論」として抽出した概括等を報告する内容です。

報告書の「総論」では、人文社会科学分野において、研究業績のアウトプットは投稿論文以外にも著書(モノグラフ)など多様な形で行われるため、研究評価に一律の基準を設定することは相応しくなく、個々の専門領域のピアレビューに委ねるのが適切であることなどを指摘しています。ワーキング・グループの個々の事業を扱う「各論」では、教員著書の広報や刊行支援に関する取組に加えて、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)をはじめとする国際的な動向を踏まえた、定量的な業績データ収集の方法論・妥当性・課題等に関する議論の内容を報告しています。

その他、ワーキング・グループ所管事項以外の人文社会科学振興に資する同大学の取組として、2020年10月に開館した東京大学アジア研究図書館に言及しています。

報告書の全文は東京大学のウェブサイトからダウンロードすることができます。

東京大学人文社会科学振興ワーキング・グループ最終報告書を公表しました(東京大学,2021/2/17)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0701_00014.html

「東京大学における人文社会科学の振興とその展望─東京大学人文社会科学振興ワーキング・グループ最終報告書」の公表にあたって(東京大学)
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/actions/n03_wgreport_00001.html

東京大学における人文社会科学の振興とその展望─東京大学人文社会科学振興ワーキング・グループ最終報告書 [PDF:56ページ](東京大学)
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400154605.pdf

関連:
東京大学ビジョン2020(東京大学)
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b01_vision2020.html

参考:
E2128 – シンポジウム「人文社会系分野における研究評価」<報告>
カレントアウェアネス-E No.367 2019.04.18
https://current.ndl.go.jp/e2128

E2288 – 研究成果公開の新たな国際標準に向けた筑波大学の取組
カレントアウェアネス-E No.396 2020.08.20
https://current.ndl.go.jp/e2288

E2341 – 東京大学アジア研究図書館の開館
カレントアウェアネス-E No.406 2021.01.14
https://current.ndl.go.jp/e2341

研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)、2020年の研究評価についての進展を振り返る記事を公開
Posted 2021年1月4日
https://current.ndl.go.jp/node/42900

【イベント】日本学術会議公開シンポジウム「学術研究と科学技術基本法―その科学史技術史的検討」(7/26・オンライン)
Posted 2020年6月25日
https://current.ndl.go.jp/node/41338