PubMed Central(PMC)で利用可能なコロナウイルス関連文献が10万点に到達

2020年12月21日、米国国立医学図書館(NLM)傘下の米・国立生物工学情報センター(NCBI)は、医学系学術文献の全文提供アーカイブであり、同センターが管理するPubMed Central(PMC)において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)をはじめとするコロナウイルスに関連した文献の利用可能点数が10万点に到達したことを発表しました。

NCBIとNLMは、コロナウイルス関連研究や研究の根拠となるデータを、PMCまたは適切なリポジトリで即時オープンアクセス(OA)化する“Public Health Emergency COVID-19 Initiative”に協力しています。“Public Health Emergency COVID-19 Initiative”は、2020年3月13日に、米国を含む各国の科学技術専門家が呼びかけた取り組みであり、2020年12月時点で50社以上の出版社が呼びかけに応じて、PMC等のリポジトリで文献や根拠データの即時OA化を進めています。OA化されたこれらのコロナウイルス関連文献はPMCで検索の上利用可能なだけでなく、クリエイティブ・コモンズ(CC)または類似のライセンスの下で機械可読なPMCの論文データを提供する“Open Access Subset”にも含まれています。

NCBIはお知らせの中で、最も古い記事の出版時期は1960年代に遡るが60%以上が2020年に出版されていること、95%程度が英語の文献だがドイツ語・フランス語・スペイン語文献も含まれていること、文献種別は研究論文とレビュー論文が多いことといったPMC収録のコロナウイルス関連文献の概要や、3月以降のこれらの文献の利用回数の合計が8,000万回以上であることなどを紹介しています。

Expanding access to coronavirus-related literature: the COVID-19 Initiative in PMC reaches 100K articles!(NCBI Insights,2020/12/21)
https://ncbiinsights.ncbi.nlm.nih.gov/2020/12/21/covid-pmc-100k/

関連:
Public Health Emergency COVID-19 Initiative(PMC)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/about/covid-19/

Open Access Subset(PMC)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/tools/openftlist/

参考:
70以上の研究助成団体・出版者等が新型コロナウイルスに関する研究データ及び研究成果の広範かつ迅速な共有に関する声明に署名
Posted 2020年2月4日
https://current.ndl.go.jp/node/40157

国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と図書館サービス・図書館資料への影響に関する声明を発表
Posted 2020年3月18日
https://current.ndl.go.jp/node/40538

米国国立医学図書館(NLM)、米国国立衛生研究所(NIH)助成研究の成果物にあたるプレプリントのPubMed Central上での利用について実現可能性を検証する試行プロジェクトを開始
Posted 2020年6月9日
https://current.ndl.go.jp/node/41165