オープンアクセス出版社・PLOS、PLOS ONE誌で2021年から取り扱う査読論文として新たに2種類の文献種別を試験導入:研究プロトコルを査読論文として公表可能に

2020年12月7日、オープンアクセス(OA)出版社のPLOSは、研究上のプロトコルやメソッドをOAで共有するプラットフォームサービス“protocols.io”との提携関係を拡大することで、同社の査読誌PLOS ONEで2021年から取り扱う査読論文として、“Lab Protocols”と“Study Protocols”の2種類の文献種別を新たに導入することを発表しました。

PLOSは、研究の厳密性と再現性、効率的なフィードバックの獲得、多様な研究貢献の開発と共有に対する認識という研究者にとって身近な3つの問題へ対応することを目的として新たな文献種別の導入を行いました。

“Lab Protocols”は、実証済研究の再利用可能な方法論の記述に関する文献種別です。“protocols.io”に登録された段階的な研究プロトコルと、同プロトコルを利用して適用・制限・期待される効果等を論じたPLOS ONEの査読済論文とが、相互リンクした内容で構成されます。“Study Protocols”は、実施前の研究に関する研究デザインや分析の計画等の研究プロトコルを共有するための文献種別です。研究の厳密性や透明性の向上にとって重要であり医療研究分野ではすでに一般的になっていることや、PLOS ONEですでに導入済の文献種別である“Registered Report”を補完するものであることを説明しています。

“Lab Protocols”と“Study Protocols”はともに、PLOS ONE誌で取り扱う全ての範囲の研究分野を対象として、2021年から試験導入されます。

Show your work. Peer-Reviewed Protocols(The Official PLOS Blog,2020/12/7)
https://theplosblog.plos.org/2020/12/show-your-work-peer-reviewed-protocols/

Peer Reviewed Protocols: A New Initiative Between protocols.io and PLOS(protocols.io,2020/12/7)
https://www.protocols.io/blog/peer-reviewed-protocols-a-new-initiative-between-protocolsio

参考:
Springer社、研究プロトコルのデータベースを提供開始
Posted 2008年1月30日
https://current.ndl.go.jp/node/7214

PLOS ONE、Registered Reportの受付開始を発表
Posted 2020年1月21日
https://current.ndl.go.jp/node/40015

EBSCO社、オープンリサーチの成長・加速化等のため“Code Ocean”、及び“protocols.io”との提携を発表
Posted 2020年1月23日
https://current.ndl.go.jp/node/40015