オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)らリポジトリのコミュニティ、FAIRsharingが公開したデータリポジトリの要件について懸念を表明

2020年11月24日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、FAIRsharingが公開した”Data Repository Selection: Criteria That Matter”で記されているデータリポジトリの要件について、リポジトリのコミュニティで懸念があがっていることを発表しました。FAIRsharingは出版者や学術情報流通に関する団体から構成されるコミュニティであり、2020年10月13日にデータリポジトリの識別と選択に関する基準を提案する文書を”Data Repository Selection: Criteria That Matter”として公開しています。

リポジトリの要件が厳しくなると、リソースが潤沢なわずかなリポジトリしか準拠できなくなるというリスクがあることが述べられています。現在、ほとんどのデータリポジトリは文書で示されている基準を満たしていないとしています。もし、出版社によって実装されると、少ない組織にリポジトリのサービスが集中することによって、オープンアクセスに悪影響が及ぼされ、アクセスへの格差が発生することなどが指摘されています。

リポジトリのコミュニティの共通の目標は、世界中の研究者のデータ管理・共有を支援できる、持続可能で分散型の相互運用可能なリポジトリネットワークを開発することであるとし、達成するためには既存のサービスを失格にするのではなく、協力して強化する必要があると述べています。

Input to “Data Repository Selection: Criteria that Matter”(COAR, 2020/11/24)
https://www.coar-repositories.org/news-updates/input-to-data-repository-selection-criteria-that-matter/

Data Repository Selection: Criteria That Matter(Zenodo)
https://doi.org/10.5281/zenodo.4084762

参考:
オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、リポジトリのベストプラクティスのフレームワークを公開
Posted 2020年10月14日
https://current.ndl.go.jp/node/42267

E2296 – データリポジトリの信頼性に関するTRUST原則
カレントアウェアネス-E No.397 2020.09.03
https://current.ndl.go.jp/e2296