韓国・文化体育観光部、職場内の読書文化を奨励し豊かな読書活動を推進した企業を認証する、2020年の「読書経営優秀企業」132社を発表

2020年10月22日、韓国・文化体育観光部が、2020年の「読書経営優秀企業」132社(大賞1社、最優秀賞5社、優秀賞10社)を発表しました。

同事業は、同部が、職場内の読書文化を奨励し、豊かな読書活動を推進した企業を認証することを目的に2014年に開始したもので、2020年は認証数が大幅に増加しました(2014年:20社、2015年:18社、2016年:49社、2017年:56社、2018年:78社、2019年:103社)。

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により在宅勤務が増加し、対面での読書活動は円滑に実施できなかったものの、非対面・オンラインでの読書活動等といった新しく多様な方法で職場の読書文化が継続されたと評価しています。

大賞を受賞したのは教保生命保険株式会社で、企業創設者を含め、現在のCEOまで読書活動を推進しており、営業現場においては、読書学習と職務能力の開発を支援するために、役員・職員が参加する読書討論会、読書学習を通してお互いに意見を交換する「読書工房」といった活動を実施し、読書文化の底辺を拡大することに貢献したと評価されています。

最優秀賞には、読書会と読書運営委員会を組織して読書を推奨する読書指導や図書費用支援等を行なって本との距離を縮める環境を整備した企業、人事システムに読書活動を導入しすべての職員に参加を促した企業、著者の講演や必読書制度を実施するとともにイベントを実施して読書を地域社会に伝播させた企業、自分で本を読む習慣を涵養し社内の読書活動を推進するために様々な読書プログラムを実施する企業、職員の読書による学習を奨励するとともに常駐作家プログラムや特化図書館の建設により読書都市の実現を目指したソウル特別市鍾路区庁、が選ばれています。

授賞式は10月28日に開催されます。受賞機関は、認証プレート等が授与され、認定書も発行されます。また、認証機関を対象に、読書活動のコンサルティングや読書プログラム運営支援が行われます。

同部の担当者は、職場内の同僚と一緒に読書をし共有する文化が読書社会を醸成し、自由な議論やコミュニケーションの場を作る原動力となるだろうと述べています。

거리두기 시대, 책과의 거리는 좁히는 회사들(距離を取る時代、本との距離を縮める会社)(文化体育観光部,2020/10/22)
https://www.mcst.go.kr/kor/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=18379

参考:
韓国図書館協会・文化体育観光部、ワークライフバランスの定着を目的に職場で人文学系プログラムを実施する事業の対象企業・団体を発表
Posted 2018年9月14日
https://current.ndl.go.jp/node/36665

E2173 – 韓国,第3次読書文化振興基本計画(2019-2023)を発表
カレントアウェアネス-E No.375 2019.08.29
https://current.ndl.go.jp/e2173

韓国・文化体育観光部、地域の事情に合わせて専門に特化した図書館を育成する「特化図書館育成支援モデル事業」の対象となる10館を選定
Posted 2017年6月12日
https://current.ndl.go.jp/node/34150

韓国・文化体育観光部、「第1次文学振興基本計画(2018~2022)」を発表:図書館常駐作家支援事業の拡大、国立韓国文学館の設置など
Posted 2017年12月20日
https://current.ndl.go.jp/node/35203