米国11大学の図書館アカウントによるInstagramへの投稿内容の分析(文献紹介)

2020年9月21日付で、米国図書館協会(ALA)内の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行するオープンアクセスの査読誌“Information Technology and Libraries”誌に、米・アイダホ大学の3人の図書館員による共著論文“Likes, Comments, Views: Information Technology and Libraries”が掲載されています。

著者らは、大学図書館によるInstagramの投稿で頻出するテーマは何か、Instagramに投稿されるテーマは「いいね」の数やコメントの有無に影響を与えるか、の2つのリサーチクエスチョンに基づく研究を実施しました。2018年11月から12月を対象期間として、アイダホ大学と学生構成・研究費・研究分野等が類似した米国内の11大学の図書館のInstagramアカウントについて、合計377件の投稿を調査しその内容分析を試みています。

調査の主な結果として、図書館・大学のリソースやサービスを紹介する投稿(Showcasing)が、ユーモアや親しみを込めた砕けた内容の投稿(Humanizing)、Instagram上で明示的にユーザーからのフィードバックを求めた投稿(Crowdsourcing)を大きく引き離して約半数を占めた一方、「いいね」の数は平均して少なく、コメントも付きづらい傾向にあることを報告しています。また、ユーザーからのフィードバックを求めた投稿や、地理的情報を含めた図書館の建物に関する投稿(Orienting)、空間等を紹介して図書館内の雰囲気を伝えた投稿(Placemaking)が「いいね」やコメントを集めやすかったことを指摘しています。

著者らはサンプルサイズや投稿テーマの分類に関する調査の限界を認めつつ、大学固有の文脈を反映した多様な内容の投稿を行うことで、大学図書館のInstagramアカウントはより一層の効果を発揮できる、としています。

なお、“Information Technology and Libraries”誌は、従来ALAの図書館情報技術部会(LITA)が刊行していましたが、2020年9月1日にLITAと図書館コレクション・技術サービス部会(ALCTS)、図書館リーダーシップ・経営部会(LLAMA)の3部会を統合した“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が発足したことに伴い、同誌の刊行事業も同部会へ承継されました。

Doney, J.; Wikle, O.; Martinez, J. Likes, Comments, Views: Information Technology and Libraries. 2020, 39(3).
https://doi.org/10.6017/ital.v39i3.12211

関連:
About the Journal(Information Technology and Libraries)
https://ejournals.bc.edu/index.php/ital/about

Core: Leadership, Infrastructure, Futures(ALA)
http://www.ala.org/core/

参考:
Instagramで効果的にハッシュタグを活用するには:図書館に関連する投稿のキャプション250万件の分析に基づく報告(文献紹介)
Posted 2020年6月23日
https://current.ndl.go.jp/node/41298

東北大学附属図書館、Instagramに図書館内外の「推しスポット」を投稿する企画「おしえて推しスポット!図書館のここが好きキャンペーン」を開催
Posted 2019年12月20日
https://current.ndl.go.jp/node/39802

CA1823 - 大学図書館におけるFacebookを利用した広報戦略 / 伊藤仁浩
カレントアウェアネス No.320 2014年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1823

米国図書館協会(ALA)の新たな部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が2020年9月1日に発足:既存の3部会を統合
Posted 2020年7月9日
https://current.ndl.go.jp/node/41470