米・LYRASIS、新型コロナウイルス感染症流行下のアーカイブ機関における収集実施状況の調査結果を公開:「災害対応」「空間計画」など5分野での推奨事項も提示

米国の図書館等のネットワークLYRASISは、2020年9月4日付けのTwitterにおいて、“Collecting Archival Materials During the Covid-19 Pandemic”の公開を発表しました。新型コロナウイルス感染症流行下のアーカイブ機関における収集実施状況の調査結果をまとめたレポートです。

LYRASIS は、2020年6月1日から25日にかけて、複数のアーカイブ機関のメーリングリストを介してアンケート調査を行い、268の回答を得ました。アンケートは1機関1件の提出、アーカイブ資料収集の責任者による回答を求めており、その条件を満たさない回答を除外した253の回答が分析対象となりました。回答は米国内45州の機関から寄せられたものであり、その50%近くが学術機関です。

調査では、感染症流行期間におけるアーカイブ資料収集に関し、物理的資料とデジタル資料に分けて、計36の質問が行われました。レポート冒頭の“Execution Summary”では、調査で判明した主な事項として以下の点等を挙げています。

・資料の収集継続・中止の判断においてアーカイブに物理的にアクセスできるかどうかが重要なポイントとなったこと
・3月から6月の間に物理的資料の収集を継続した107機関のうち半数が、収集の前後や収集時において、新型コロナウイルスに関する健康・安全のための情報源を参照していなかったこと

レポートには、調査結果の他にLYRASIS内の専門家によるアーキビスト向けの推奨事項をまとめたセクションが設けられており、災害対応、空間計画、物理的資料の受入れに関するポリシーの作成・修正、デジタル保存、リモートワークの計5分野における推奨事項が提示されています。また、付録資料としてアンケート本体等も収録されています。

@LYRASIS(Twitter, 2020/9/4)
https://twitter.com/LYRASIS/status/1301877735942389762

Collecting Archival Materials During the Covid-19 Pandemic [PDF:35ページ]
https://lyrasisnow.org/wp-content/uploads/2020/09/Pandemic-Survey-Report_09012020.pdf