研究データ管理(RDM)を改善するための10の基本的な実践方法(文献紹介)

2020年7月27日付で、研究サイクルのあらゆる段階の成果物を総合的に公開するオープンアクセス(OA)誌“Research Ideas and Outcomes”のガイドラインとして、“Foundational Practices of Research Data Management”が公開されています。

同ガイドラインは米国カリフォルニア工科大学のKristin A Briney氏らにより作成され、研究データ管理(RDM)を改善するための10の基本的な実践方法を示した内容です。優れたRDMは、効率的なデータの発見・理解、研究プロジェクトのあらゆる段階での利活用、分析・可視化・報告の合理化につながり、出版におけるストレスや時間を軽減するものであるという認識の下、日々の取り組みへの小さな追加としてあらゆるタイプのデータ管理に適用可能なRDMにおける基本的なベストプラクティスを紹介しています。以下の10の実践方法について具体的な内容が解説されています。

・常に十分な内容による文書化を心掛ける
・一貫したルールで名付けたファイル名によりファイルを整理する
・適切にファイルのバージョンを管理する
・必要に応じてデータの機密性に関する計画を立てる
・研究プロジェクト内での役割や責任を明確化する
・データのバックアップをとる
・使用するツールに依存する制約を特定する
・研究プロジェクトの終了時に適切にデータを取り扱う
・データをリポジトリへ保存する
・研究データマネジメント計画(DMP)上でこれらの実践方針を明文化する

Briney, K. A.; Coates, H.; Goben A. Foundational Practices of Research Data Management. Research Ideas and Outcomes. 2020, 6, e56508.
https://doi.org/10.3897/rio.6.e56508

参考:
オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、研究データ管理のための教材「RDMトレーニングツール」を公開
Posted 2017年6月7日
https://current.ndl.go.jp/node/34115

Springer Nature社、日本の研究者を対象にデータ共有・管理の現状を調査したホワイトペーパーを公開
Posted 2019年6月6日
https://current.ndl.go.jp/node/38303

E2241 – 優れた研究データ管理(RDM)実践の24の事例集<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.387 2020.03.12
https://current.ndl.go.jp/e2241