2014年から2018年における図書館情報学分野の研究動向:学術図書館に関連する研究が盛んに実施(文献紹介)

2020年7月29日付で、Elsevier社が刊行する大学図書館の関わるテーマを主に扱った査読誌“The Journal of Academic Librarianship”掲載記事として、ハンガリーの研究者による論文“Academic libraries as the flagships of publishing trends in LIS: a complex analysis of rankings, citations and topics of research”がオープンアクセスで公開されています。

同論文は2014年から2018年までの5年間に発表された文献に基づいて、図書館情報学分野における研究や研究成果公開の一般的な傾向を特定する目的で執筆されました。分析にあたっては、まず、Elsevier社の抄録・引用文献データベースScopusに基づく学術雑誌指標Scimago Journal Rank(SJR)の2013年から2017年の結果によって対象誌の絞り込みが行われ、Web of Scienceの引用指標を用いて絞り込まれた対象誌の中から分析に使用する論文の選定が行われました。最終的には、2014年から2018年までに発表された632件の論文が分析対象となり、最も出現頻度の高い著者、最もよく引用された論文、論文を最もよく出版する機関、タイトル・キーワード・抄録の情報に基づく最も広く扱われた主題、これらの関連性に関する調査が行われました。

分析の結果として、分析対象期間の図書館情報学分野における主要な研究トピック、代表的な著者・機関等の概要や評価が提供され、これらが全て学術図書館に直接関連していたことが報告されています。

Winkler, Bea; Kiszl, Péter. Academic libraries as the flagships of publishing trends in LIS: a complex analysis of rankings, citations and topics of research. The Journal of Academic Librarianship. 2020, 46(5), 102223.
https://doi.org/10.1016/j.acalib.2020.102223

参考:
CA1687 – 研究文献レビュー:日本における図書館情報学分野の計量的研究の動向-計量書誌学研究を中心に- / 芳鐘冬樹
カレントアウェアネス No.299 2009年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1687