ドイツの電子情報長期保存プロジェクトnestor、OAIS参照モデルの情報生産者からアーカイブへの提出用情報パッケージSIP形成における原則を示した手引きを公開

2020年7月20日、ドイツの電子情報長期保存プロジェクトnestorはTwitterアカウントによる投稿で、同プロジェクトが刊行するnestor-materialienシリーズの新しいタイトルとして“Grundsätze zur SIP-Bildung”を公開したことを発表しました。

“Grundsätze zur SIP-Bildung”は、OAIS参照モデルの情報生産者からアーカイブへの提出用情報パッケージであるSubmission Information Package(SIP)の形成において、その具体化のための原則を示した手引きとして、nestorのワーキンググループが作成しました。電子情報の長期保存においてSIP提出後の処理を容易化するために、オリジナルの情報パッケージとSIPとが近似し、かつ標準的な形で設計されることが望ましいとして、これを達成するための原則として以下の5つを挙げています。

1. 一般原則
2. 情報パッケージ特定のための原則
3. 情報パッケージの構造
4. 情報パッケージのメタデータ
5. 情報パッケージの真正性と完全性

手引きではこれらの5原則の具体化に必要なアプローチについて、個々に要求レベルを示しながら解説しています。

@nestorNetzwerk(Twitter,2020/7/20)
https://twitter.com/nestorNetzwerk/status/1285208751369326593

Grundsätze zur SIP-Bildung : Handreichung der nestor Arbeitsgruppe SIP-Konkretisierung [PDF:12ページ](nestor)
https://d-nb.info/1214014216/34

参考:
CA1489 – 動向レビュー:デジタル情報保存のためのメタデータに関する動向 / 栗山正光
カレントアウェアネス No.275 2003.03.20
https://current.ndl.go.jp/ca1489

ドイツの電子情報長期保存プロジェクトnestorが策定した電子情報の保存計画のためのガイドラインの日本語訳が公開
Posted 2017年9月6日
https://current.ndl.go.jp/node/34621