電子情報の保存・管理に関する標準手法“Oxford Common File Layout(OCFL)”のVesion 1.0が公開:英米の大学図書館員を中心とした2年以上の策定作業の成果

2020年7月7日付で、電子情報の保存・管理に関する標準手法“Oxford Common File Layout(OCFL)”のVesion 1.0が公開されました。

OCFLは、英米の大学図書館員を中心とした編集チームと電子情報の保存や技術に関するコミュニティの2年以上の策定作業の成果として公開されました。構造的で透明性が高く予見可能な方法による、特定のアプリケーションに依存しない電子情報の保存手法を示しています。設計の意図として、デジタルリポジトリ内でオブジェクトを長期にわたって管理するためのベストプラクティスの採用を促進すること、手法を標準化することによってアプリケーション間におけるコンテンツのマイグレーションや転送を容易にすることが挙げられています。

設計上の目標、及び活用することによる利点は以下の6点である、と説明しています。

・完全性(保存されたファイルさえあればリポジトリを再構築できる)
・解析可能性(人間・機械双方に可読性があり、特定のソフトウェアに依存しない)
・堅牢性(エラー、ファイルの破損、マイグレーションに耐えうる)
・バージョン管理(リポジトリ内のファイルに対する変更を加えても履歴を保持できる)
・ストレージの多様性(クラウドを含む多様な形のストレージに保存できる)
・効率性(実装上の課題を踏まえ、計算・帯域・ストレージ効率を考慮した設計上の決定の大半がなされる)

OCFLはウェブサイト上で、仕様を示した“OCFL Specification”と実装上の助言を示した“OCFL Implementation Notes”等を公開しています。

Version 1.0 of the Oxford Common File Layout (OCFL) Released(OCFL,2020/7/7)
https://ocfl.io/news/#version-10-of-the-oxford-common-file-layout-ocfl-released

Oxford Common File Layout
https://ocfl.io/

Oxford Common File Layout Specification(OCFL)
https://ocfl.io/1.0/spec/

Implementation Notes, Oxford Common File Layout Specification(OCFL)
https://ocfl.io/1.0/implementation-notes/

参考:
E2211 – 第16回電子情報保存に関する国際会議(iPRES2019)<報告>
カレントアウェアネス-E No.382 2019.12.19
https://current.ndl.go.jp/e2211