米・ロチェスター工科大学の研究チームが数学公式に関する無料のオンライン検索ツール“MathDeck”を開発し公開

米・ロチェスター工科大学理学部(College of Science)の2020年6月23日付のお知らせで、同大学の研究チームが高度な数学公式の作成・編集・参照等が可能になるオンライン検索ツール“MathDeck”を開発したことが発表されています。

MathDeckは、数学的な表記を双方向的で共有しやすくする目的で、同大学の教員・学生が構成する学際的な研究チームによって開発されました。MathDeckでは、手書き・タイピングされた数式画像のアップロード、LaTexによるテキスト入力など、複数の方法で数式を入力・編集することができます。アップロードされた数式画像の認識には、画像処理や機械学習の技術が用いられています。

MathDeckは、米国科学財団(NSF)・スローン財団(Alfred P. Sloan Foundation)による100万ドル近くの助成の下で進行中の研究プロジェクト“MathSeer”の成果の一部として開発されました。MathSeerはロチェスター工科大学・ペンシルベニア州立大学・メリーランド大学カレッジパーク校の研究者が主導するプロジェクトで、「全ての人々のための数学検索」を提供する新技術の創出を目標としています。MathSeerが開発を進めている技術として、新しい検索インタフェース、手書き・画像入力された数式を認識する人工知能アルゴリズム、検索クエリとしての数式をより適切に扱う検索エンジン技術などが挙げられています。

開発されたMathDeckはオンライン上で、無料で利用することができます。

RIT researchers create easy-to-use math-aware search interface(Rochester Institute of Technology, College of Science,2020/6/23)
https://www.rit.edu/science/news/rit-researchers-create-easy-use-math-aware-search-interface

MathDeck
https://mathdeck.cs.rit.edu/

MathSeer
https://www.cs.rit.edu/~dprl/mathseer/

参考:
韓国・国立障害者図書館、同館ウェブサイトでの数式及び数学記号の音声変換規則の提供を開始
Posted 2020年1月7日
https://current.ndl.go.jp/node/39889