Springer Nature社と米・カリフォルニア大学が転換契約を締結

2020年6月16日、Springer Nature社と米・カリフォルニア大学は、転換契約を締結したことを発表しました。同社にとって、これが北米で初の転換契約締結です。

発表によると、最終契約書の有効期間は2020年から2023年までであり、2020年は追加費用なしで、同大学所属の研究者は同社が刊行する2,200タイトルを超えるハイブリッドジャーナルおよび500タイトルを超えるオープンアクセス(OA)ジャーナルでOA出版が可能となります。他に、契約の要点として、2021年以降は論文処理費用(APC)について、同大学が定額を支払い、不足分は著者または同大学が負担するマルチペイヤーモデル(multi-payer model)を取り入れること、同学の所属者は今後、Springer、Palgrave、Adis、Macmillanのポートフォリオに含まれる2200誌以上のジャーナルの恒久的な閲覧が可能となること等が挙げられています。

また、完全OAポートフォリオの拡充、オープンサイエンスの影響およびスコープに関する調査を行う試験的プロジェクトの立ち上げ、同社が刊行する購読型ジャーナルのOA化に、同社と同大学が協力して取り組むことが述べられています。

Landmark Transformative Agreement reached between Springer Nature and University of California(Springer Nature, 2020/6/16)
https://group.springernature.com/gp/group/media/press-releases/springer-nature-university-of-california/18083344

[プレスリリース] シュプリンガー・ネイチャーとカリフォルニア大学が節目となる転換契約を締結(Springer Nature, 2020/6/16)
https://www.springernature.com/jp/news/20200616-pr-springer-nature-university-of-california-jp/18088894

UC reaches groundbreaking open access deal with leading global publisher(University of California, 2020/6/16)
https://www.universityofcalifornia.edu/press-room/uc-reaches-groundbreaking-open-access-deal-leading-global-publisher

参考:
米・カリフォルニア大学の2020年初頭時点の主要出版社とのオープンアクセス(OA)出版等に関する契約・契約交渉の状況(記事紹介)
Posted 2020年1月30日
https://current.ndl.go.jp/node/40107

米・カリフォルニア大学、学術出版社との転換契約交渉のためのツールキットを公開
Posted 2019年6月7日
https://current.ndl.go.jp/node/38305

Springer Nature社、Nature誌を含む同社の非オープンアクセス学術誌の多くをPlan Sに準拠させる意向を表明
Posted 2020年4月15日
https://current.ndl.go.jp/node/40772

Springer Nature社、スイスの大学と“Read and Publish”契約に合意
Posted 2020年4月20日
https://current.ndl.go.jp/node/40804

独・プロジェクトDEAL、Springer Nature社との“Read and Publish”契約に最終合意
Posted 2020年1月10日
https://current.ndl.go.jp/node/39928

オーストリア学術図書館コンソーシアム(KEMÖ)、Springer Nature社との“Read & Publish”契約を更新
Posted 2019年9月4日
https://current.ndl.go.jp/node/38944

オランダ大学協会とSpringer社、オープンアクセスに関して合意
Posted 2014年11月25日
https://current.ndl.go.jp/node/27500