国・大学レベルのオープンアクセス状況の調査(文献紹介)

2020年5月21日、英Open Universityの機関リポジトリにおいて、国・大学レベルのオープンアクセス(OA)状況調査の論文”Open Access 2007 – 2017: Country and University Level Perspective”のプレプリントが公開されました。著者は同大学のBikash Gyawali氏ら3名です。同論文は2020年8月開催のACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)に採択されています。

調査は8カ国(オーストリア, ブラジル, ドイツ, インド, ポルトガル, ロシア, 英国, 米国)と、それらの国の約400大学を対象とし、Microsoft Academic Graph(MAG)と英国の機関リポジトリアグリゲーターであるCOREのデータを使用して実施されました。

調査では、英国のOAの割合が最も高く(26.68%)、米国、オーストリア、ドイツ、ポルトガル、ブラジル、ロシア、インドと続くことが判明しました。大学レベルの調査では、Times Higher Education社(THE)の世界大学ランキングの研究スコアの順位によって、大学を「高」「中」「低」の3つの層に分類しました。「研究スコアの順位が上位の大学ほどOAの割合が高い」といったようなパターンは観察されませんでした。年別の調査では、いずれの国でもOAの割合が、特に2012年以降、上昇傾向にあることが報告されています。

Gyawali, Bikash; Pontika, Nancy and Knoth, Petr. Open Access 2007-2017: Country and University Level Perspective. In: ACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries in 2020 (JCDL ’20).
http://oro.open.ac.uk/id/eprint/70549

参考:
英国Open University、英国のオープンアクセスリポジトリの全文検索エンジン“CORE”を開発
Posted 2011年10月5日
https://current.ndl.go.jp/node/19230