主要学術出版社の参加するシームレスな学術論文へのアクセス提供ソリューション“Get Full Text Research(GetFTR)”へDimensions等の学術プラットフォーム・サービスが試行参加

2020年4月21日、研究者へシームレスな学術論文へのアクセスを提供する無料ソリューション“Get Full Text Research(GetFTR)”は、Digital Science社のディスカバリープラットフォームDimensions、研究データ公開プラットフォームfigshare、研究情報管理システムElementsを提供する英国のSymplectic社、Digital Science社傘下ReadCubeの文献管理ツールPapers、Elsevier社の文献管理ツールMendeleyが、GetFTRの試行サービス提供を開始したことを発表しました。

GetFTRは、研究者が必要とする出版済学術論文への迅速なアクセス提供を目的として、2019年12月に立ち上げが発表された無料のソリューションです。米国化学会(ACS)・Elsevier社・Springer Nature社・Taylor & Francisグループ・Wiley社といった主要な学術出版社の資金提供を受けて開発されています。GetFTRは研究者が使用する様々なディスカバリーツール・学術プラットフォーム・文献管理システム等へ統合することが可能です。GetFTRと統合されたサービスを利用する研究者は、各サービス上のGetFTRの表示から出版社版・プレプリント版など最適なバージョンの学術論文へシームレスにアクセスすることができます。また、機関外からの簡便なアクセス認証を提供する“SeamlessAccess.org”を利用して機関認証情報を管理することで、研究者は機関外からでもサービスを利用することができます。

GetFTRの試行サービスを開始した学術プラットフォーム等では、購読誌掲載の論文情報の表示画面にGetFTRのリンクが追加されます。該当論文が研究者の所属機関からアクセス可能で、研究者が近い時期に機関認証を受けていた場合には、機関の内外を問わずGetFTRのリンクを経由して出版社プラットフォームへ掲載された論文のフルテキストへアクセスできます。機関認証を受けていない場合には、まず機関の認証画面へ誘導され認証を経た後に、論文のフルテキストへアクセスできます。

GetFTR pilot is now live(GetFTR,2020/4/21)
https://www.getfulltextresearch.com/community/getftr-pilot-is-now-live/

What is GetFTR(GetFTR)
https://www.getfulltextresearch.com/what-is-getftr/

関連:
New service from publishers to streamline access to research(GetFTR,2019/12/3)
https://www.getfulltextresearch.com/community/news-article-7/

参考:
Springer Nature社、購読機関外からの簡便な電子リソースアクセス認証に関する新サービスSeamlessAccess.orgを採用
Posted 2019年11月18日
https://current.ndl.go.jp/node/39526

Digital Science社、新たな研究ディスカバリープラットフォーム“Dimensions”の提供を開始
Posted 2018年1月16日
https://current.ndl.go.jp/node/35318

研究データ公開プラットフォーム“figshare”、機関版をリリース
Posted 2013年9月6日
https://current.ndl.go.jp/node/24320

英Symplectic社、研究情報管理ソリューション“Elements”バージョン4.0をリリース
Posted 2012年12月26日
https://current.ndl.go.jp/node/22594

ハーバード大学の卒業生が開発した無料の文献管理ツール“ReadCube”が公開
Posted 2011年10月12日
https://current.ndl.go.jp/node/19287

ElsevierがMendeleyを買収
Posted 2013年4月9日
https://current.ndl.go.jp/node/23281