HathiTrust、臨時休館等の状況にある米国内の参加館を対象に「緊急一時アクセスサービス」を提供中

2020年3月30日、HathiTrustは、「緊急一時アクセスサービス」(Emergency Temporary Access Service:ETAS)の提供開始を発表しています。

ETASは、公衆衛生上の緊急事態を受けての臨時休館等により、所蔵する印刷資料への「予期しない、または不本意な、一時的な」アクセス制限が生じている米国内の参加館を対象とし、一定の制約の下、HathiTrust上にある著作権で保護されたデジタル化資料の本文への合法的アクセスを可能とするサービスです。

対象館が属する大学の学生、教職員、スタッフは、同館が印刷版を所蔵している資料について、デジタル化資料の本文への一時的なアクセスが可能となります。ただし、同時アクセス回数は所蔵部数が上限となります。また、資料を一冊単位でダウンロードするオプションも提供されていません。

HathiTrustによる承認を経て、すでにETASが利用可能となっている図書館のリスト“ETAS: Approved Libraries”も公開されています。

Emergency Temporary Access Service(HathiTrust, 2020/3/30)
https://www.hathitrust.org/ETAS-Description

ETAS: Approved Libraries(HathiTrust)
https://www.hathitrust.org/etas-approved-libraries

参考:
北米の研究図書館センター(CRL)、デジタル化資料約1万タイトルへのアクセス制限を一時的に解除
Posted 2020年4月6日
https://current.ndl.go.jp/node/40711

HathiTrustの2019年前半の活動と今後の展望(記事紹介)
Posted 2019年8月8日
https://current.ndl.go.jp/node/38765

CA1760 – デジタル化資料の共同リポジトリHathiTrust―図書館による協同の取り組み/ 田中 敏
カレントアウェアネス No.310 2011年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1760