オランダの2021年から2027年までの戦略的な研究評価のためのプロトコル“Strategy Evaluation Protocol(SEP)”が公開される

2020年3月16日、オランダ大学協会(VSNU)は、オランダ王立芸術科学アカデミー (KNAW)・オランダ科学研究機構(NWO)と共同して作成した新しい研究評価のためのプロトコル“Strategy Evaluation Protocol(SEP)”を公開しました。

オランダでは研究機関が研究評価を行う目的と手順を示したプロトコルについて、6年ごとに見直しが行われています。2021年から発効する最新の研究評価に関するプロトコルは、既存のプロトコルを土台にして、オープンサイエンスの理念や研究者の認識・報酬に関する最近の動向を組み込んだものとなっています。

新たに改訂されたSEPは名称変更を行って、研究評価が評価対象組織の目的と戦略に焦点を当てたものであることを明確化しています。新しいSEPで研究機関は、研究の質・社会との関連性・事業の実現性の基準に基づいて評価が行われます。この基準の中では、オープンサイエンス・博士課程への方針と教育・研究環境・人事制度が特に重視されています。研究評価委員会は評価にあたって評点を付けるのではなく、将来に向けての重要な意見や勧告を提供する、としています。

新しいSEPは2020年4月20日にナイメーヘン市のラドバウド大学で開催される公開のキックオフミーティングで、オランダ教育・文化・科学省のIngrid van Engelshoven大臣へ提出されます。同ミーティングでは策定委員会によって、内容や機関内の評価サイクルへの組み込み方への説明が行われる予定です。また、新しいSEPの様々な側面を扱った並列セッションも開催されます。

新しいSEPは、VSNU・KNAW・NWOなどのオランダ国内の研究関連組織が2019年11月に作成した研究者の認識と報酬に関するポジションペーパーで示された原則や、VSNU・KNAW・NWOも署名済の「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に基づいて策定されています。

Making way for all aspects of quality(VSNU,2020/3/16)
https://www.vsnu.nl/en_GB/news-items.html/nieuwsbericht/572-ruim-baan-voor-alle-aspecten-van-kwaliteit

Making way for all aspects of quality(NWO,2020/3/16)
https://www.nwo.nl/en/news-and-events/news/2020/03/making-way-for-all-aspects-of-quality.html

Strategy Evaluation Protocol 2021-2027 [PDF:48ページ](VSNU)
https://www.vsnu.nl/files/documenten/Domeinen/Onderzoek/SEP_2021-2027.pdf

関連:
Knowledge sector takes major step forward in new approach to recognising and rewarding academics(VSNU,2019/11/13)
https://www.vsnu.nl/en_GB/news-items.html/nieuwsbericht/543-kennissector-zet-grote-stap-vooruit-in-nieuwe-manier-erkennen-waarderen

Room for everyone’s talent: towards a new balance in the recognition and rewards for academics [PDF:8ページ](VSNU)
https://www.vsnu.nl/files/documenten/Domeinen/Onderzoek/Position%20paper%20Room%20for%20everyone%E2%80%99s%20talent.pdf

参考:
オランダの10の学術・研究機関等が“Nationaal plan open science”を策定し、公開
Posted 2017年2月15日
https://current.ndl.go.jp/node/33467

フィンランド研究コミュニティの共同体“Avoin tiede”、2020年から2025年までのオープンサイエンス・オープンリサーチに関する共通の方向性を提示した宣言を公開
Posted 2020年1月14日
https://current.ndl.go.jp/node/39943