中国・上海図書館が来館による資料の貸出・返却サービスを再開:対象はオンライン予約を行った利用者に限定

2020年3月12日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休館していた中国・上海図書館が、児童向け図書を除く図書・雑誌の貸出・返却サービス再開を発表しました。ただし、利用できる館内エリアは一部に限定されています。

入館に際しては、上海図書館のWechat(微信)公式アカウントからオンライン予約を行い、入館用QRコードを取得した上で提示すること、あわせて、「随申碼」というQRコードの表示が「緑」であることを示す必要があります。「随申碼」は、過去の滞在地域や新型コロナウイルス感染者との接触有無等から、感染リスクを判定して色で表示する仕組みとなっています。安全を示す「緑」表示と、公共の場所への立ち入り制限等の対象となる「赤」「黄」表示の三種類があります。

なお、2020年3月18日付けの新民網の記事によれば、入館予約の完了情報が「随申碼」に取り込まれる仕組みとなったため、18日以降、予約済みの利用者は「随申碼」のみの提示で入館可能となったとあります。

その他にも、入館者数の総量規制を行うことや、入館前に体温検査を実施し、37.3度以上、あるいは咳の症状、呼吸が早く不安定等の症状がある場合には入館を謝絶する旨を示しています。利用者に対しては、マスクを必ず着用すること、貸出・返却時において利用者同士1.5メートル以上の距離を保ち、密集を避けることを求めています。

上海图书馆(上海科学技术情报研究所)新冠肺炎疫情防控期间有序开放公告(上海図書館, 2020/3/12)
http://beta.library.sh.cn/SHLibrary/newsinfo.aspx?id=826

新型コロナウイルス肺炎の予防・抑制期間における開館案内(上海図書館, 2020/3/12)
http://www.library.sh.cn/Web/www/shtsg/2020313/n21133195.html
※日本語による開館案内です。

今天起,随申码和预约码“两码并一码”,去上海图书馆更方便啦!(新民晩報, 2020/3/18)
http://newsxmwb.xinmin.cn/wentihui/wtsh/2020/03/18/31689889.html
※入館予約済みの利用者は「随申碼」のみの提示で入館可能となったことを伝える記事です。

“随申码”将全市推广 明确绿码可作为通行凭证无需另开具相关证明材料(上海市人民政府, 2020/3/1)
http://www.shanghai.gov.cn/nw2/nw2314/nw32419/nw48516/nw48539/u21aw1428739.html
※「随申碼」の概要と、新型コロナウイルス感染拡大防止のために上海市が市内全域における「随申碼」使用を推進していることを紹介しています。

参考:
中国の文化・観光部、新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館している公共図書館が再開館する際に踏まえるべき事項を定めたガイドラインを公表
Posted 2020年3月5日
https://current.ndl.go.jp/node/40415

新型肺炎の感染拡大防止のため中国国家図書館等が臨時休館
Posted 2020年1月24日
https://current.ndl.go.jp/node/40040