館内コミュニケーション促進を目的としたソーシャルプラットフォームの導入結果:スウェーデン・カロリンスカ研究所図書館の事例(文献紹介)

米国大学・研究図書館協会(ACRL)が発行する“College & Research Libraries News”Vol 81, No 1 (2020年1月)に、 館内コミュニケーションの促進を目的として、スウェーデン・カロリンスカ研究所図書館が、Facebookの企業向けソーシャルプラットフォームWorkplaceを導入した結果に関する記事が掲載されています。

同館では、イントラネットのリプレースにあたって、館内コミュニケーション改善の5つの目標が掲げられ、その目標達成のための1つとしてWorkplaceが導入されました。

インターフェースがFacebookとほぼ同じであることから職員になじみ深いこと、動画配信やビデオチャット等の機能を含むものを内製するよりもインターフェースなどが優れていること、教育機関は無料で利用できることが採用した理由として説明されています。

導入にあたっては、まずは館内の2つの部署で試験導入した結果を受けて、潜在的な肯定的な成果が否定的な成果を上回ると見なすことができたため、全館的に導入されました。また、ポリシーやガイドラインを定めるとともに、Workplaceに関する質問を投稿できるグループも作成されています。

結果として、リプレース前よりイントラネット上に公開されるコンテンツが増加しており、導入1年後のアンケートでは、掲載されている情報が多すぎるという意見もあるものの、68%がWorkplace導入により全体的に良い効果が出ていると回答し、また、84%が異なる部署の職員間の透明性が拡大したと回答しています。 

本文献では、結論として、導入により職員間の透明性を高めるという目標を達成することができたとしています。一方で、Facebookに良い印象を持っていないことによる否定的な意見もあったことから、ツールを開発している企業について論争を避けたい場合はオープンソースを選択することも考えられるとしています。

HAYA, Glenn; LIND, Sara M.; JANZEN, Sara. Using a social platform as an internal communication tool A case study. College & Research Libraries News. 2020, 81(1).
https://doi.org/10.5860/crln.81.1.14.
https://crln.acrl.org/index.php/crlnews/article/view/24226/32033