米・プリンストン大学図書館(PUL)、英国の作家T. S. エリオットが生涯の友人エミリー・ヘイルと交わした手紙1,131通を研究者向けに公開

2019年12月18日、米国のプリンストン大学図書館(PUL)は、英国で活躍しノーベル文学賞受賞作家であるT. S. エリオットが生涯の友人であるエミリー・ヘイルと1930年から1957年に交わした1,131通の手紙について、2020年1月2日から研究者向けに公開することを発表しました。

この手紙のコレクションはヘイルが1956年にPULへ寄贈したものです。寄贈の際にヘイルは、エリオットとヘイル両者の死後50年封印すること、という条件をつけていました。その後、エリオットは1965年に、ヘイルは1969年に亡くなっています。

エミリー・ヘイルはボストン出身の教師で、エリオットとは1912年に初めて出会い、1927年に再会後親交を深め、エリオットの英国移住後も頻繁に手紙を交わしていました。両者は恋人同士であったとも推測され、手紙の内容に関する文学的・学術的関心が高まっている、としています。

手紙のコレクションは保存とアクセス需要への対応のため全てデジタル化が完了していますが、エリオットの手紙は2035年まで著作権法の保護下にあるためオンライン上でアクセスすることはできません。利用するためにはPULを構成するファイアストーン図書館特別コレクションの閲覧室へ訪問する必要があります。

Highly anticipated T.S. Eliot letters, among best known sealed literary archives, open at Princeton University after more than 60 years(PUL,2019/12/18)
https://library.princeton.edu/news/general/2019-12-18/highly-anticipated-ts-eliot-letters-among-best-known-sealed-literary

T.S. Eliot letters, among best-known sealed literary archives, open at Princeton after 60 years(Princeton University,2019/12/30)
https://www.princeton.edu/news/2019/12/30/ts-eliot-letters-among-best-known-sealed-literary-archives-open-princeton-after-60

Special Collections:Eliot, T.S. (Thomas Stearns) (1888-1965)(PUL)
https://library.princeton.edu/special-collections/topics/eliot-ts-thomas-stearns-1888-1965

参考:
米国プリンストン大学図書館、F・スコット・フィッツジェラルドの直筆原稿をデジタル化公開
Posted 2013年6月11日
https://current.ndl.go.jp/node/23691

プリンストン大学図書館、ジャック・デリダの個人蔵書の収集を発表
Posted 2015年4月2日
https://current.ndl.go.jp/node/28273

2016年から著作がパブリック・ドメインとなった人々
Posted 2016年1月4日
https://current.ndl.go.jp/node/30343