米・ミネソタ州のロチェスター公共図書館が水損事故から得た教訓(記事紹介)

米国図書館協会(ALA)児童図書館サービス部会(ALSC)の2019年10月25日と11月30日付のブログで、9月22日に3階の機械室からの水漏れで全フロアが数インチの浸水被害を受けた米・ミネソタ州のロチェスター公共図書館の、復旧作業の中で得た教訓が紹介されています。

10月25日付のブログでは以下の13点が指摘されています。

1.職員の電話番号や災害計画などの重要な情報は印刷し、図書館・自宅双方で参照できるようにすること。
2.復旧には想像しているより時間が必要であること。
3.地域からの質問に回答し、職員・ボランティアに指示を出し、リーダーが情報に基づく統一された意思決定をする本部として、司令部を設置すること。
4.災害発生時から今後の予定までのスケジュールを作成すること。
5.定期的なプレスリリース等、地域とコミュニケーションをとること。
6.状況を把握し新しいアイデアを生み出すために職員による定期的な会議を開催すること。
7.職員とのコミュニケーションや課題の進捗を追うためのホワイトボードを設置すること。
8.保険の申請や復旧作業に必要な写真撮影・文書作成のための公式な記録化計画の要点を説明すること。
9.多くの職員が長時間労働となること。
10. 移動図書館やインターネットへのアクセスの提供といった実施可能な利用者サービスは行なうほうが良いこと。
11. 基本的なサービスを提供しつつ復旧作業を優先するために、中止するサービスを検討すること。
12. 想像するより復旧には時間がかかること(再度指摘)。
13.災害を通じて、才覚があり、強靭で、創造的で、積極的で、献身的な個々の職員で図書館が運営されていることを知ることになること。

また、11月30日付のブログでは、以下の11点が指摘されています。

1. 復旧には想像しているより時間がかかること。
2. 完全復旧前に建物の一部を使って運営できる方法があるかを検討すること。
3. 作業に従事した職員と支援を続けた地域へ感謝すること。
4. 職員のストレスをケアすること。
5. なすべき事項のリストを作成すること。
6. ストレスが多いために職員は常に最高な状態の仕事ができるとは限らないので寛容であるべきこと。
7. 実施する利用者サービスは楽しんで実施すること。
8. 例年実施する清掃日で不要なものは捨てておけば、それらの水損はなかったこと。
9. 災害計画があっても最新の情報に基づいて柔軟に対応すること。
10. 災害は職員の長所と短所を浮き彫りにするものなので、全員が実力を発揮できるように適切な仕事を割り振ること。
11. 迅速に多くの物事が決定するため、反対であっても決定は受け入れて被害者意識を持たないようにすること。多様な考えによる議論は最善の決定をするための方法であること。

Update Your Disaster Plan!(ALSC, 2019/10/25)
https://www.alsc.ala.org/blog/2019/10/update-your-disaster-plan/

Update Your Disaster Plan! Part 2(ALSC, 2019/11/30)
https://www.alsc.ala.org/blog/2019/11/update-your-disaster-plan-part-2/