台湾・台北医学大学図書館による近隣住民の健康リテラシー促進のための活動(文献紹介)

2019年8月24日から8月30日までギリシャ・アテネで開催された第85回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会でポスター発表された、台湾・台北医学大学図書館の邱子恒(Tzu-heng Chiu)氏らによるポスター“Community Health Fairs of Taipei Medical University Library (TMUL): promoting consumer health literacy and reading habits for University hospitals’ neighborhoods”が公開されました。

Abstractによると、台湾の大学の医学図書館では、近隣の住民とは一定の距離感があることから、大学の社会的責任を果たし、近隣住民の健康と福祉を高めることを目的に2018年春に実施した「コミュニティ健康フェア」の結果を発表するものです。

「コミュニティ健康フェア」では、12のコンシューマーヘルスに関する本の展示や、11の健康に関する講演会が、健康関連のイベントと連携して大学病院のホールで実施され、1,116人の近隣住民が参加しました。

参加者には、一般向けの図書やお土産が入った福袋も提供され、満足度調査では高評価を得て、来年度実施のための予算も確保されました。

今後、同館では地域社会との連携を深めるため、同大学の3つの大学病院への書棚の設置、公共図書館と連携しての健康に関する蔵書の紹介、同館でのヘルスケアに関する本の展示での書店による参加者への割引販売の実施、近隣の経営者と連携しての同プログラムのアウトリーチの実施等を行うとしています。

Community Health Fairs of Taipei Medical University Library (TMUL): promoting consumer health literacy and reading habits for University hospitals’ neighborhoods(IFLA Library, 2019/11/7)
http://library.ifla.org/id/eprint/2832
http://library.ifla.org/2832/1/175-chiu-en_poster.jpg
※二つ目のリンクがポスターです。

参考:
CA1929 – 慶應義塾大学「からだ館」10年間の歩み―図書館を拠点にした健康コミュニティへの総合的アプローチ― / 秋山美紀
カレントアウェアネス No.336 2018年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1929