Read NZ Te Pou Muramura、デジタル時代の読書行動に関する調査報告書を公表

2019年10月7日、Read NZ Te Pou Muramura(旧New Zealand Book Council)は、同団体の2019年の調査として、デジタル時代の読書行動に関する調査報告書“Reading in a Digital Age”を公表しました。なお、本報告書での「読書」(reading)は、紙の本や電子書籍以外にも、ブログ記事や電子メール、業務書類等まで含む、幅広いコンテンツを対象とした概念となっています。

調査の目的として、ニュージーランド人のオンラインでの読書行動をよりよく理解することが挙げられており、調査は二段階に分けて実施されました。第一段階は、2019年6月19日から7月2日にかけて、経験サンプリング法に基づいて実施されたSMS調査であり、複数の時間帯、曜日における読書行動のデータ収集が行われました。合計216人が参加し、1,000件を超えるデータが収集されました。第二段階は、2019年7月に行われたオンラインでの読書習慣を把握するための補足調査であり、全国から515人分の回答が寄せられました。

報告書冒頭に調査結果の要点を“Key messages”としてまとめており、以下の点等が紹介されています。

・回答者は年齢や性別に関係なく、印刷物よりも多くのオンライン情報源を読んでいる。

・オンラインでの読書は従来の読書を追いやりつつあるが(displacing)、取って代わりつつある(replacing)訳ではない。回答者の大部分は毎週両方の形式で読んでいる。

・回答者の3人に1人は、オンラインコンテンツが利用できるようになったことと、表示するコンテンツの切り替えにより得られる気楽さ・楽しさにより、これまで以上に読書をしていると考えている。

・回答者の44%は、以前よりも長くかつ難易度の高いコンテンツを読むのがつらくなったと感じている。

New Zealanders are distracted readers, new research finds(Read NZ Te Pou Muramura, 2019/10/7)
https://www.read-nz.org/new-zealand-book-scene/nzbc-stories-details/new-zealanders-are-distracted-readers-new-research-finds

2019 Research: Reading in a Digital Age [PDF:38ページ]
https://www.read-nz.org/Images/Assets/59555/1/Read%20NZ%20Te%20Pou%20Muramura%20Reading%20in%20a%20Digital%20Age%20report%202019.pdf

参考:
New Zealand Book Council、読書調査の結果を公表
Posted 2017年7月31日
https://current.ndl.go.jp/node/34447

E2171 – 子どもの電子メディアの利用実態と読書との関係
カレントアウェアネス-E No.375 2019.08.29
https://current.ndl.go.jp/e2171