米・テキサス州のコンソーシアム“Texas Digital Library(TDL)”、米・カリフォルニア大学サンディエゴ校図書館との共同による機密データのデジタル保存サービスの計画を発表

2019年7月2日、米・テキサス州の学術図書館等コンソーシアム“Texas Digital Library(TDL)”は、機密データに関する初めての全国的な分散デジタル保存(distributed digital preservation:DDP)サービスについて、米・カリフォルニア大学サンディエゴ校図書館と共同計画を進めていることを発表しました。

米国では、機密データのDDPサービスが提供されておらず、図書館や健康科学センター、文書館の管理下にある、個人を特定可能な情報(personally identifiable information:PII)や個人の健康情報(personal health information:PMI)の損失リスクが高まっており、この計画は機密データ保存サービスの欠如という現在の不備を埋められるように全国的なDDPサービスモデルを展開するものである、としています。

この計画の成果物には、米国での機密データのDDPサービス構築をモデル化したレポート、法的合意事項に関するテンプレート、データ転送に関する技術的要件等が含まれる予定で、TDLとカリフォルニア大学サンディエゴ校のDDPサービスの強化を支援するとともに他のDDPサービスでも同様のサービスが提供できるようにするものである、としています。

なお、この取り組みは米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)の“National Leadership Grants for Libraries Program”による36プログラムの内の1プログラムとして、IMLSから8万7,384ドル(2019年度)の助成を受けています。

Texas Digital Library to Transform Digital Preservation Possibilities for Sensitive Data(TDL,2019/7/2)
https://www.tdl.org/2019/07/preserving-sensitive-data/

UC San Diego Library and Texas Digital Library Collaborate to Transform Digital Preservation Possibilities for Sensitive Data(カリフォルニア大学サンディエゴ校図書館,2019/7/10)
https://library.ucsd.edu/news-events/uc-san-diego-library-and-texas-digital-library-collaborate-to-transform-digital-preservation-possibilities-for-sensitive-data/

LG-34-19-0055-19(IMLS)
https://www.imls.gov/grants/awarded/lg-34-19-0055-19

参考:
米・カリフォルニア大学サンディエゴ校図書館ら、デジタル保存リポジトリ間の相互運用性向上のためのプロジェクトへの助成を獲得
Posted 2019年2月14日
http://current.ndl.go.jp/node/37586

米国テキサス州の学術図書館等のコンソーシアム“Texas Digital Library”、データリポジトリの運用開始について発表
Posted 2016年9月21日
http://current.ndl.go.jp/node/32577

米・Open Textbook Network及びCollaborative Knowledge Foundation、オープン・テキストブック作成のためのプラットフォーム構築事業を実施
Posted 2019年7月12日
http://current.ndl.go.jp/node/38574