米・シラキュース大学情報学大学院(iSchool)、公共図書館の研究拠点を設置

2018年11月9日、米・シラキュース大学情報学大学院(iSchool)が、公共図書館の研究拠点“iSchool Public Libraries Initiative”(IPLI)を設置したと発表しています。

ハースト・ワル(Jill Hurst-Wahl)准教授により設置されたもので、(1)公共図書館をテーマに研究し、得られた知見を図書館に適用したい教員や学生の研究拠点の作成、(2)公共図書館分野で図書館情報学修士号の取得を目指す学生等への、教員が支援する研究拠点の提供、(3)研究プロジェクトで得られた知見の共有に基づく、学生・教員による公共図書館のイノベーション能力の構築支援、が設置目的とされています。

ハースト・ワル准教授は、公共図書館職員は時間とリソースが不足し、少ない情報で意思決定をしないといけないため、同拠点を設置することで、研究者が良質な情報を公共図書館に提供すると述べています。

同事業では、目標として

・意思決定者や支援者が必要とする情報に焦点を当て、公共図書館やそのコミュニティの現状を調査する
・図書館のイノベーション方法についての情報を収集・普及し、図書館がその能力を発揮できるよう支援する
・情報学大学院の研究成果を公共図書館に適用する
・公共図書館のイノベーションに関するホワイトペーパー、学術論文、ウェビナー、プレゼンテーションを作成する
・公共図書館の活動を支援するための情報の収集・活用し、様々な話題に関する図書館員・図書館管理者・理事会のための専門能力開発プログラムを実施する

を掲げています。

iSchool Launches New Hub For Public Libraries Research(Syracuse University School of Information Studies, 2018/11/9)
https://ischool.syr.edu/articles/news/view/ischool-launches-new-hub-for-public-libraries-research/

参考:
シラキュース大学情報学大学院、“遊びが大切だから”と称するゲーム研究所を設置
Posted 2012年12月20日
http://current.ndl.go.jp/node/22567

E1937 – 図書館員に研究マインドを:実務と理論双方の発展のために
カレントアウェアネス-E No.329 2017.07.27
http://current.ndl.go.jp/e1937