MDPI、刊行するすべての雑誌にオープン・ピア・レビューオプションを適用開始

2018年10月22日、オープンアクセスジャーナルプラットフォームMDPIが、刊行するすべての雑誌でオープン・ピア・レビューオプションを選択可能にすると発表しました。

MDPIのオープン・ピア・レビューは2014年から一部の雑誌で開始され、現在までに14の雑誌で導入されていました。これらの雑誌では著者が査読レポートを論文とあわせて公開することを選べるオープン・レポートオプションと、査読者が自身の氏名を公開できるオープン・アイデンティティオプションが提供されており、特にオープン・レポートオプションについては対象となる雑誌掲載論文全体の41%、一部の雑誌では60%の論文で選択されていたとのことです。オープン・アイデンティティも、23%の論文で、少なくとも一人の査読者が選択していました。

各オプション選択者の割合に大きな変化はなく、MDPIはオープン・ピア・レビューが今も広がり続けているとは言えないが、すでにかなりの著者が、よりオープンであることを好んでいるとしています。この結果を受けて、MDPIは刊行する全雑誌でオープン・ピア・レビューオプションを提供することにしたとのことです。

Open Peer Review for all MDPI Journals(MDPI、2018/10/12付け)
https://www.mdpi.com/about/announcements/1405

Opening up Peer Review(MDPI、2018/10/12付け)
http://blog.mdpi.com/2018/10/12/opening-up-peer-review/

参考:
MDPI、学術雑誌に関する統計とランキングを公開するサイトSciforum Journal Reviewsベータ版を公開
Posted 2015年2月19日
http://current.ndl.go.jp/node/28012

オープン・ピア・レビューは主流になりつつある?
Posted 2017年5月9日
http://current.ndl.go.jp/node/33962

Nature Communications、査読レポートの公開オプションを恒久的に提供する方針へ
Posted 2016年11月15日
http://current.ndl.go.jp/node/32936

CA1829 – 査読をめぐる新たな問題 / 佐藤翔 カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1829