国際図書館連盟(IFLA)、EU加盟国のマラケシュ条約への対応状況をまとめた資料を公開

2018年6月14日、国際図書館連盟(IFLA)が、EU加盟国のマラケシュ条約への対応状況をまとめた資料“Towards Ratification of the Marrakesh Treaty in the European Union”を公開しました。

EUでは、2017年9月に公布された規則(2017/1563)・指令(2017/1564)により、マラケシュ条約に対応するための国内法整備の期限が2018年10月11日までとなっており、残り4か月を切っています。

資料では、著作物の複製・共有に際し補償金の支払いが必要になっていないかどうかや、ディスレクシアや他の障害への対応も含まれているかなど、各国の状況が表にまとめられています。

全体として補償金の支払いを求める可能性がある国はほとんどない一方で、公認機関(authorized entity)の認定がまだの国や、マラケシュ条約の範囲を超えた視覚以外の障害への対応が見られないことを指摘しています。

On Track or Off the Rails? IFLA publishes an update current status of transposition of the Marrakesh Directive in Europe(IFLA,2018/6/14)
https://www.ifla.org/node/58730

Towards Ratification of the Marrakesh Treaty in the European Union [PDF:7ページ](IFLA)
https://www.ifla.org/files/assets/clm/update_marrakesh_eu_june_2018.pdf

参考:
EU理事会(Council of the EU)、マラケシュ条約への批准を承認
Posted 2018年2月20日
http://current.ndl.go.jp/node/35513

欧州連合、マラケシュ条約に対応するために採択された規則・指令を公布
Posted 2017年9月25日
http://current.ndl.go.jp/node/34727