佐賀県立図書館、国内現存最古と考えられる南北朝時代の刀剣書の発見を発表

2017年12月18日、佐賀県立図書館が、国内現存最古と考えられる南北朝時代の刀剣書(刀工の名前や説明等を記したもの)が発見されたと発表しています。

「銘尽(龍造寺本)」という資料で、同館の説明によると、同館が所蔵する歴史資料約13万点のなかから、九州産業大学基礎教育センター吉原弘道准教授が、「龍造寺家文書」277点のうち2点の「申状土代」(訴状の下書き)の裏に書かれているのを発見したとのことです。

南北朝時代の観応2年(西暦1351年)12月頃、足利直冬に恩賞として旧領回復を訴えるため、直冬の陣中に滞在していた龍造寺家政が、直冬かその関係者が持っていた秘本の刀剣書を借用し、家政本人か周辺の人物が書き写したものと推定されるとのことです。これまでは、重要文化財「銘尽(観智院本)」(応永30年(西暦1423年)写、国立国会図書館蔵)が現存最古の刀剣書とされていました。

吉原氏による今回の研究成果(論文)が、2018年1月中旬頃に発行される、日本古文書学会編『古文書研究』84号に掲載される予定であるほか、2017年12月26日から2018年2月4日まで、同資料の原本が、同資料に名前の出てくる刀工の銘がある刀剣の実物とともに、佐賀県立博物館で展示されています。

国内現存最古と考えられる刀剣書が発見されました~佐賀県立図書館所蔵の歴史資料から~(佐賀県,2017/12/18)
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00359345/index.html

佐賀県立図書館 ニュース
http://www.tosyo-saga.jp/kentosyo/
※「国内現存最古と考えられる刀剣書を佐賀県立博物館で展示中!!【2/4まで】(12月26日)」とあります。

南北朝の刀剣書見つかる 国内最古か 佐賀の図書館所蔵(産経ニュース,2017/12/26)
http://www.sankei.com/life/news/171226/lif1712260002-n1.html

関連:
銘尽(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://doi.org/10.11501/1288371