オーストラリア・ニュージーランド両国の図書館間の資源共有促進を目的としたサービス“Trans Tasman Interlending”(文献紹介)

2017年8月にポーランドのヴロツワフで開催される第83回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会での発表資料として、オーストラリア国立図書館(NLA)のモニカ(SZUNEJKO, Monika)氏及びニュージーランド国立図書館(NLNZ)のケイ(FORAN, Kaye)氏による“Linking up Australia and New Zealand: Trans-Tasman collaboration and the evolving resource sharing ecosystem”と題する文献が公開されています。

2006年にオーストラリアとニュージーランドの図書館間での資源共有促進を目的に開発された“Trans Tasman Interlending”の概要と現状をまとめたもので、同サービスは、両国の国立図書館により、VDXソフトをベースとした“Trans-Tasman gateway”を介したシステム間の相互運用や集中型の課金制度により運用されてきました。

本文献では、サービス開始から10年を経て、現在では、サービス維持のための技術・インフラが老朽化したり、プラットフォームが変更されたことにより相互運用性の確保が困難になるなどの課題を抱えていることや、両国での新たな方向性への議論や取組などが紹介されています。

Linking up Australia and New Zealand: Trans-Tasman collaboration and the evolving resource sharing ecosystem (IFLA Libary)
http://library.ifla.org/1754/
http://library.ifla.org/1754/1/233-szunejko-en.pdf

参考:
CA1575 – オーストラリア国立図書館における資源共有へ向けての新たな取り組み / 大島薫
カレントアウェアネス No.286 2005.12.20
http://current.ndl.go.jp/ca1575