ノルウェーの公共図書館における利用者行動に関する調査(記事紹介)

2017年7月3日付のIFLAのブログで、ノルウェーの公共図書館における利用者行動に関する調査の結果が紹介されています。

オスロなどの主要都市の大規模な公共図書館が研究機関と共同で、2015年12月のある一週間、利用者の行動や利用場所、利用時間などを観察しました。2007年にも同様の調査が実施されています。

その結果として、

・19歳から30歳までの利用者の割合が29%と最も多く、19歳から45歳までで54%を占める。また、本館と比べて分館のほうが子どもや高齢者の利用者の割合が多い。
・人口における移民の割合よりも、ノルウェー語以外の言語を話す利用者の割合のほうが多い。
・他の利用者と交流をした利用者は、2007年調査の26%から2015年調査では30%に増加した。
・平均滞在時間は、35分から47分に増加した。
・読書や勉強をした利用者は、11%から21%に増加した。
・図書館サービスを利用せず、社会的な活動を行なったり、図書館の無料のWi-Fiを利用していると思われる利用者は、9%から16%に増加した。

などが紹介されています。

また、7時から23時まで開館していて、早朝や夜間は職員が不在となるため利用者カードにより入館する分館についても調査していて、

・27%の利用者は職員不在の時間に利用していた。
・男性、ヤングアダルト、ノルウェー語以外の言語の話者が、職員不在の時間によく利用していた。
・職員がいる時間と比較して、職員不在の時間の利用者は、読書や作業をする割合が多く、資料の貸出をする割合は少なかった。

などが紹介されています。

その他、オンラインの図書館サービスの利用については十分に調査できなかったこと、この種の調査は定期的に実施する必要があるとして、5年ごとの実施が計画されていること、などが言及されています。

Who are they and what do they do?(IFLA, 2017/7/3)
https://blogs.ifla.org/public-libraries/2017/07/03/who-are-they-and-what-do-they-do/

参考:
CA1656 – 小特集 北欧のコミュニティと公共図書館:ノルウェー / マグヌスセン矢部直美
カレントアウェアネス No.295 2008年3月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1656