欧州の小規模文化遺産機関向けクラウド型電子図書館プラットフォーム“LoCloud”(記事紹介)

2017年8月にポーランドのヴロツワフで開催される第83回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会の発表資料として、ポーランドのPoznan Supercomputer and Networking CenterのWERLA, Marcin氏による、クラウド型(SaaS)電子図書館プラットフォーム“LoCloud”を紹介する“Cloud technologies as a solution for digital collections management in small libraries”と題する記事が公開されています。

クラウド技術の発展により、所蔵資料のデジタル化公開に必要なサーバを安価に利用することが可能となってきた一方で、小規模な文化遺産機関では、ITに詳しい職員を雇用することは困難であり、また、IT関連企業も、文化遺産機関のシステムやEuropeanaとの相互運用性については関心がないことから、小規模館の地域資料が埋もれてしまうという課題認識のもと、小規模館にクラウド技術を提供することで、その潜在力を活用し、コレクションをオンラインやEuropeanaでも公開できるように、ECの資金援助のもと開発されたものです。

2015年から無料で提供されており、現在、欧州の11か国の40機関で採用されています。

この報告書では、オープンソースソフト“Omeka”を基に作成された、“LoCloud”の開発にあたっての、要件定義や開発工程、実装された機能や統計機能を紹介しています。

Cloud technologies as a solution for digital collections management in small libraries (IFLA Library)
http://library.ifla.org/1623/
http://library.ifla.org/1623/1/150-werla-en.pdf

参考:
クラウドベースで中小規模文化機関のデジタルリソースをEuropeanaに提供するプロジェクト“LoCloud”が始動
Posted 2013年4月9日
http://current.ndl.go.jp/node/23286