米フロリダ州レイク郡イースト・レイク図書館で架空の利用者を登録し貸出データを改ざん 長期間利用がない図書を除籍対象から外す目的で

米国フロリダ州レイク郡のイースト・レイク図書館で、図書館員が存在しない人物を利用者として登録し、大量の図書を借りていたかのように貸出データを改ざんしていたことが報じられています。

このデータ改ざんはGeorge Dore氏ら2名の図書館員によって行われ、Chuck Finleyという架空の人物を利用者として登録し、2016年の9ヵ月間でスタインベックの小説など2,361冊の本を借りたことにしていたとのことです。同年11月に匿名の通報があったことからデータ改ざんが発覚し、州当局による調査が行われています。

Dore氏らのデータ改ざんの目的は、貸出数の水増しではなく、長期間借りられていない本が除籍されることを防ぐことにあったとのことです。Dore氏は長期間借りられなかったとして除籍された本を、後に買い戻すことになった経験を幾度もしたとのことで、そのような事態を防ぎたかったとコメントしているとのことです。Dore氏は、同様のことは他の図書館でも行われているとも述べています。

データ改ざんに関与した2名のうち、Dore氏は調査の間、休職処分中で、もう1名(アシスタント職員)はけん責は受けたものの解雇はされなかったとのことです。

To save books, librarians create fake ‘reader’ to check out titles(Orlando Sentinel、2016/12/30付け)
http://www.orlandosentinel.com/news/lake/os-chuck-finley-lake-library-fake-reader-20161227-story.html

米フロリダ州の公共図書館スタッフ、作品貸し出し実績データを改ざん「みんなやっている」(hon.jp DayWatch、2017/1/10付け)
https://hon.jp/news/1.0/0/10489

なぜ図書館員は不要な本を除去するアルゴリズムと闘うために違法行為を行なったのか?(Gigazine、2017/1/13付け)
http://gigazine.net/news/20170113-librarians-create-fake-reader/

参考:
E1522 – 多面的なデータにもとづく除籍を支援するツール<文献紹介>
カレントアウェアネス-E
No.252 2014.01.23
http://current.ndl.go.jp/e1522