インドの研究者はAPCを支払って論文を出版するべきか(文献紹介)

インド理科大学院(IISc)の機関リポジトリePrints@IIScに、インドの研究者のオープンアクセス(OA)雑誌での論文出版状況を調査した論文”Should Indian researchers pay to get their work published?”のプレプリントが登録されています。著者はIIScのMuthu Madhan氏らです。同論文はインドの総合科学雑誌”Current Science”に既に受理され、掲載予定とのことです。

Muthu氏らの論文ではScience Citation Index Expandedのデータを用い、2010年から2014年にかけて出版されたインドの研究者による論文について調査しています。調査の結果、5年間で61カ国、880のOA雑誌で37,000本以上の論文が公開されており、OA雑誌で出版される論文の割合は世界平均を上回るとのことです。うち約15,400本が論文処理加工料(APC)のかかる雑誌で出版されており、APCを徴収する雑誌から出版される論文の数は増加傾向にありました。Muthu氏らはインドの研究者は年間240万米ドル相当をAPCに費やしていると見積もっており、南米や中国のように相互運用性のあるリポジトリを用いたOAに移行することで、倹約につなげられると提案しています。

Muthu, Madhan and Kimidi, Siva Shankar and Gunasekaran, Subbiah and Arunachalam, Subbiah (2016) Should Indian researchers pay to get their work published? [Preprint] (Submitted)
http://eprints.iisc.ernet.in/54926/

List of accepted papers with abstracts only.(Current Science)
http://www.currentscience.ac.in/cs/php/fcarticles.php

参考:
E1810 – インドのオープンアクセス(OA)リポジトリ<文献紹介> カレントアウェアネス-E No.305 2016.06.16
http://current.ndl.go.jp/e1810

CA1682 – インドの電子図書館と機関リポジトリ / 水流添真紀 カレントアウェアネスNo.299 2009年3月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1682