米・ルイジアナ州南部で発生した洪水と図書館:図書館による被災住民の支援活動

2016年9月8日付けのLibrary Journal(オンライン版)が、2016年8月中旬に米国ルイジアナ州南部で発生した洪水による図書館の被害状況や、図書館による被災住民の支援活動などをリポートしています。

図書館への影響としては、学校図書館に大きな被害があった一方で、ほぼすべての公共図書館は洪水中に閉館したが、大きな被害は免れ、翌週には概ね再開館したとのことです。

公共図書館が大きな被害を受けなかった要因の1つとして、記事では、同州が2005年にハリケーン・カトリーナの被害を受けた結果、災害に耐えられるように多くの公共図書館が改装されていたことがあげられています。

公共図書館が洪水被害を受けなかった結果、平均1/3の図書館職員がなんらかの被害を受けたものの、再開館した図書館には、現状から逃れ、癒される場所として多くの住民が読書をしに来館しているほか、勤務可能な図書館職員により、保険や援助の申請手続きの支援、住宅再建のための情報提供、ノートパソコンやWi-Fiのホットスポットの避難所への貸出、避難所での児童サービス等、被災した住民を支援するためのサービスを提供することができていることが述べられています。

その他、制服を失った子どもたちへ寄せられた制服を分類・分配する場所として活用されたり、これまで図書館と連携することが多かったフードバンクによる水の配布が行われたことが紹介されています。

一方で、税収減により、今後数年間の図書館予算の減少が懸念されることが指摘されています。

Louisiana Libraries Emerge from Flooding Largely Intact, Anticipate Later Losses(Library Journal,2016/9/8)
http://lj.libraryjournal.com/2016/09/industry-news/louisiana-libraries-emerge-from-flooding-largely-intact-anticipate-later-losses/

参考:
米・ルイジアナ州南部で発生した洪水により、学校図書館が浸水被害
Posted 2016年8月23日
http://current.ndl.go.jp/node/32379

米国国立公文書館、ルイジアナ州で発生した洪水を受けてTumblrを更新:資料の修復に有用な情報源を紹介
Posted 2016年8月25日
http://current.ndl.go.jp/node/32395

E369 – ハリケーンの図書館への影響についての第1報(米国)
カレントアウェアネス-E No.65 2005.09.07
http://current.ndl.go.jp/e369

米国・カリフォルニア州サンマテオ郡の図書館、罰金や使用料の代わりに食料品を収集
Posted 2015年11月16日
http://current.ndl.go.jp/node/29982