政府軍の包囲下にあるシリア・ダーライヤー市の秘密の図書館(記事紹介)

反体制派が籠城し、政府軍の包囲下にあるシリア・ダーライヤー市にある、有志によって作られた「秘密の図書館」が英BBCに紹介されています。

ダマスカス郊外県にあるダーライヤー市ではシリア内戦の初期から激しい戦闘が行われており、現在も反体制派の支配域を政府軍が包囲しています。その包囲の中で、学生らによるボランティアが砲撃・爆撃を受けて破壊された建物の中等から命がけで本を集めた「図書館」を作っているとのことです。収集した図書は14,000冊以上にのぼり、分野も多岐にわたるとされています。

収集した図書は医療従事者や教員によって活用されているほか、戦時下にあっても読書を愛する人々によって読まれているとのことです。

BBCによればダーライヤー市近郊に政府軍・ヒズボラが迫っており、包囲戦を終結させるつもりなのではないかという予測が述べられています。そのような状況にあっても、自由を望み、読書によってそれが実現できると述べるある図書館利用者のコメントによって記事は締めくくられています。

Syria’s secret library(BBC NEWS、2016/7/28付け)
http://www.bbc.com/news/magazine-36893303

参考:
ユネスコ、シリアの6つの世界遺産を危機遺産リストに登録
Posted 2013年6月20日
http://current.ndl.go.jp/node/23766

トンブクトゥの「最高にイカした」図書館員
Posted 2016年4月26日
http://current.ndl.go.jp/node/31455