人文・社会科学分野におけるaltmetricsの可能性・課題・技術(記事紹介)

2016年8月に開催される第82回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会の資料として、フィンランドのヘルシンキ大学図書館のJohanna Lahikainen氏による“Altmetrics in Social Sciences and Humanities: Possibilities, Challenges, and Experiences”と題する記事が公開されています。

ヘルシンキ大学図書館が、EBSCO社の研究成果評価分析ツール“PlumX”を用いて2015年に実施したaltmetricsの試験結果の概要が述べられており、英語で執筆される医学・自然科学分野に対し、人文・社会科学分野の文献はフィンランド語・スウェーデン語といった現地の言語で執筆されるため、医学・自然科学分野ほどは評価ツールが効果的に機能しなかったことが述べられています。

そして、そのような分野に適したaltmetricsツールを作成することが重要であるとし、その解決策として、フィンランド語の雑誌へのDOIの付与、ORCIDの採用、2016年中に運営が開始される研究成果登録簿・データウェアハウスである“VIRTA”とAltmetrics社のaltmetricsデータの統合などが指摘されています。

Altmetrics in Social Sciences and Humanities: Possibilities, Challenges, and Experiences
http://library.ifla.org/1356/
http://library.ifla.org/1356/1/136-lahikainen-en.pdf

参考:
Plum Analytics社がEBSCO社の完全子会社に
Posted 2014年1月16日
http://current.ndl.go.jp/node/25259

日本の論文のAltmetrics計測サービス、Ceek.jp Altmetricsが公開
Posted 2013年10月29日
http://current.ndl.go.jp/node/24696