貸出冊数で図書館の機能を測れるか:Boston Globe紙による調査(米国)

2016年4月25日付のBoston Globe紙が、マサチューセッツ州の州図書館委員会のデータを用いて、州内の地域ごとの図書館の住民1人あたりの貸出冊数を調べ、その分析結果を報じています。

同紙の調査によれば、ケープコッドや島嶼部、ボストン西部郊外の裕福な地域、マサチューセッツ州西部の小規模な地域の図書館の貸出冊数が多いとされています。

その要因として、開館時間や資料購入に影響を与える予算の多寡や、図書館の利用目的に影響を与える裕福度や教育水準(低いほど図書を借りない傾向があるが、就職活動等別の目的で図書館を利用している)が指摘されます。

またスペイン語を話す住民が多い地域の図書館の蔵書に、スペイン語資料が少ないことも課題としてあげられています。

このことから、ミシガン大学の教授(教育学)ニューマン(Susan Neuman)氏は、政策決定者は、貸出統計に基づいて図書館の予算を決めるべきではないと述べるほか、住民1人あたりの予算が少ない図書館の館長であるゲイ(Sarah Gay)氏は、貸出冊数で図書館活動の活気さは測れないと述べています。

また、ケープコッドや島嶼部の貸出冊数は、夏季休暇で訪れた観光客が本を借りることにより数値が押し上げられていることや、反対に冬季においては、他に訪れるところがない同地域の住民にとって図書館がコミュニティーセンターとして機能していることが指摘されています。

Is your local library a bestseller? ? Mass. circulation rates tell an interesting tale(Boston Globe,2016/4/25)
https://www.bostonglobe.com/metro/2016/04/25/your-local-library-bestseller-mass-circulation-rates-tell-interesting-tale/Zv5ATq8Pxpcrmu4Db4BeVK/story.html

参考:
E1740 – 「岐路」に立つ米国の公共図書館:意識調査の結果から
カレントアウェアネス-E No.293 2015.11.26
http://current.ndl.go.jp/e1740

※貸出し冊数の多い地域の翻訳を修正しました(2016/4/27)