大学図書館のコンピュータでの猥褻画像の閲覧は違法 米・ウィスコンシン州控訴裁判所判決

2016年1月26日付のLaCrosseTribuneが報じるところによると、大学図書館のコンピューターで猥褻画像を閲覧することについて、憲法上の権利はないとウィスコンシン州の州控訴裁判所が判決を下したとのことです。

ウィスコンシン大学オークレア校図書館のコンピュータで猥褻画像を閲覧していた人物に対して行われた今回の裁判の判決は、被告が根拠として示した、猥褻素材の私的所持が犯罪でないという最高裁の判例(1969年)や、猥褻で攻撃的なインターネット通信から未成年者を保護するために刑事罰を課す連邦通信品位法への違憲判決(1997年)はいずれも、米国憲法修正第1条での権利が、猥褻画像を公共図書館やその他公的な場所で閲覧できることを認めたものではないと指摘しているとのことです。

Appeals court upholds university library porn citation(LaCrosseTribune,2016/1/26付け)
http://lacrossetribune.com/news/local/appeals-court-upholds-university-library-porn-citation/article_88bce447-b88a-5887-b879-75b6b34cab5f.html

判決文
http://wicourts.gov/ca/opinion/DisplayDocument.pdf?content=pdf&seqNo=160118

参考:
CA1039 – インターネットと言論の自由 / 市川牧
カレントアウェアネス No.196 1995.12.20
http://current.ndl.go.jp/ca1039

CA1124 – インターネットの法的規制-アメリカ「通信品位法」とフランス「通信規制法」- / 屋敷奈巳
カレントアウェアネス No.213 1997.05.20
http://current.ndl.go.jp/ca1124