文部科学省の「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に関する審議依頼への、日本学術会議からの回答「科学研究における健全性の向上について」が公開

文部科学省では、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日文部科学大臣決定)の2015年4月からの適用に当たり、日本学術会議に対して、実験データ等の保存の期間及び方法等6つの事項について、審議の依頼を行っていました。

2015年3月6日付で、日本学術会議から回答「科学研究における健全性の向上について」が提出され、日本学術会議のウェブサイトで公開されました。この回答については、ガイドラインを運用するための参考となる指針となるとされています。また、文部科学省では、この回答の公開にあたり、ガイドラインに関するFAQに追加を行ったとのことです。

回答では、公的な資金によって実施された研究で生み出された成果やそのもととなるデータ等を適切に管理・保存し、必要に応じて開示することは、研究者及び研究機関に課せられた責務であるとしています。論文等の形で発表された研究成果のもととなった実験データ等の研究資料は、当該論文等の発表から10年間の保存を原則とすること、試料や標本などの有体物については5年間を原則とすることと回答されています。

回答「科学研究における健全性の向上について」(日本学術会議)(文部科学省, 2015/3)
http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1355898.htm

回答「科学研究における健全性の向上について」(日本学術会議, 2015/3/6)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-k150306.pdf

「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に係る質問と回答(FAQ)(文部科学省, 2015/3)
http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1352820.htm

参考:
文部科学省、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」を決定
Posted 2014年8月27日
http://current.ndl.go.jp/node/26879

国立国会図書館、『調査と情報-ISSUE BRIEF-』で新しい研究不正ガイドラインの論点についてのレポートを公開
Posted 2014年11月6日
http://current.ndl.go.jp/node/27384

国立国会図書館調査局の『レファレンス』No.764で「我々は研究不正を適切に扱っているのだろうか(上)」を刊行
Posted 2014年9月29日
http://current.ndl.go.jp/node/27116

国立国会図書館調査局の『レファレンス』No.765で「我々は研究不正を適切に扱っているのだろうか(下)」を刊行
Posted 2014年10月22日
http://current.ndl.go.jp/node/27269