EIFL、マラケシュ条約に関する図書館向けのガイドを発表

2013年6月27日に採択されたマラケシュ条約(Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons who are Blind, Visually Impaired, or otherwise Print Disabled:盲人、視覚障害者およびプリントディスアビリティ(印刷物を読むことが困難)のある人々の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)に関して、図書館を通じた情報へのアクセス向上に取り組んでいる国際的な非営利組織“Electronic Information for Libraries(EIFL)”が、2014年12月4日、図書館向けのガイド“The Marrakesh Treaty: an EIFL Guide for Libraries”を発表しました。

図書館には、長くプリントディスアビリティのある人々や視覚障害者向けのサービスを提供してきた歴史があり、また、図書館やその他の「公認機関(Authorized Entity)」によってアクセシブルな形式の資料の国際的な交換が可能であるため、マラケシュ条約の成功には図書館が重要な役割を果たすとされています。

ガイドは二部構成で、第一部では、マラケシュ条約の主要な条項や、条約の目的に図書館が寄与する役割など、条約そのものについて紹介しており、第二部では、知識へのアクセスを可能にするという公益に沿って、技術的な条項の実務的な適用方法、提言がされているとのことです。

The Marrakesh Treaty: an EIFL Guide for Libraries(EIFL, 2014/12/4)
http://www.eifl.net/news/marrakesh-treaty-eifl-guide-libraries
※お知らせ

The Marrakesh Treaty: an EIFL Guide for Libraries(PDF;18ページ)(EIFL, December 2014)
http://www.eifl.net/system/files/resources/201412/eifl-guide-marrakesh_en.pdf
※本文

参考:
CA1831 – マラケシュ条約―視覚障害者等への情報アクセスの保障に向けたWIPOの取り組み / 野村美佐子
カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1831

E1455 – 障害者のアクセス権と著作権の調和をはかるマラケシュ条約
カレントアウェアネス-E No.241 2013.07.25
http://current.ndl.go.jp/e1455

欧州委員会、マラケシュ条約批准を提案
Posted 2014年10月23日
http://current.ndl.go.jp/node/27285