Kindleの文中ハイライト機能でよくハイライトされているフレーズからわかる7つのこと(記事紹介)

米国の社会批評ブログVoxに、2014年6月8日、「米国の読者について、Kindleの文中ハイライト機能でよくハイライトされているフレーズからわかる7つのこと」(”7 things the most-highlighted Kindle passages tell us about American readers”)と題した記事が掲載されています。

Kindleには電子書籍を読んでいて、気になったフレーズ等をハイライトする機能があり、「もっともハイライトされていたフレーズ上位50」と「もっともハイライトされることの多い本上位50」が公開されています。この記事はそのリストについて解説したもので、米国の電子書籍読者には以下の7つの傾向があることがわかるとしています(リストの集計対象をAmazonは公開していないものの、データを見る限り米国の読者に限っているようである、と記事の中で推定されています)。

1) 『ハンガー・ゲーム』(2008年に第1巻初版発行のヤング・アダルト小説)シリーズは本当に流行っている。よくハイライトされているフレーズ上位25位のうち19が『ハンガー・ゲーム』シリーズのもので、よくハイライトされている本の3位、8位、13位も同シリーズである。

2) 聖書および関係書もよくハイライトされる。よくハイライトされる図書第1位をはじめ、上位25位の中に版の異なる6冊の聖書が入っているほか、5冊のキリスト教関係書が入っている。

3) 古典小説も上位に多く入っているが、ハイライトされているフレーズは序盤のものが多く、最後まで読まれたかは定かではない。

4) 自己啓発書も多い。聖書とあわせて考えると、アメリカの読者は何をすべきか教えてもらいたがっている。

5) 近代の小説はほとんどランクインしていない。

6) 「最近よくハイライトされた本」を見ると医学の教科書が多く、医学生がKindleを勉強に使っているようである。

7) 大統領の書いた本の中ではジョージ・W・ブッシュ前大統領の自伝のみがよくハイライトされている本の上位50位以内に入っており、”Pray as if it all depends upon God, for it does. But work as if it all depends upon us, for it does”というフレーズが2,763人からハイライトされている。

7 things the most-highlighted Kindle passages tell us about American readers(Vox、2014/6/8付け)
http://www.vox.com/2014/6/8/5786196/7-things-the-most-highlighted-kindle-passages-tell-us-about-american

Kindleの文中ハイライト機能でみえる、米国での電子書籍ユーザーの傾向(hon.jp、2014/6/9付け)
http://hon.jp/news/1.0/0/5563/

参考:
Kindleの読者が最も多くアンダーラインをした箇所が分かるランキング
Posted 2010年4月30日
http://current.ndl.go.jp/node/16180