OCLC Researchの多言語書誌活用の取り組み

OCLC Researchが、WorldCatの多言語の書誌データを活用して、ユーザに最適な言語の書誌データを提示する多言語書誌構造(Multilingual Bibliographic Structure)の活動を紹介しています。注記や件名などの記述は、記述対象となる資料の言語ではなく、カタロガーがそれぞれの言語で記述しており、worksetとして異なる言語で記述された書誌レコードがグルーピングされている著作もあるとのことです。そこで、この活動では、目録の記述に使用された言語の中から、利用者に最適なものがあれば、提示できるようにすることを目的としているとのことです。

また、この活動では、さまざまな言語に翻訳されている著作のグルーピングの精度をあげる取組みもなされているようです。WorldCatの同一「著作」について、別言語への翻訳である「表現形」レベルのレコードを作成し、書誌レコードに含まれる原作タイトル、原作者、翻訳タイトル、翻訳者について、“xR”のフラグを付けてVIAFに登録し、worksetとしてのグルーピングを行ったとのことです。2014年5月までに、約40万件の著作と約68万件の翻訳について、VIAFの約100万件のレコードに”xR”のフラグが追加されたとのことです。

OCLC Research launches multilingual bibliographic structure activity(OCLC Research, 2014/6/2付)
http://www.oclc.org/research/news/2014/06-02.html

Multilingual Bibliographic Structure
http://www.oclc.org/research/activities/multilingual-bib-structure.html

Janifer Gatenby’s presentation at IFLA 19 August 2013
http://www.slideshare.net/JaniferGatenby/multilingual-presentation-ifla-2013-0819

参考:
CA1665 – OCLCのFRBR化の取組み:xISBNサービスを中心に / 橋詰秋子
カレントアウェアネス No.296 2008年6月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1665

OCLC WorldCat.orgがSchema.orgによるマークアップを採用、Linked Dataへ向けた取組の一環として
Posted 2012年6月21日
http://current.ndl.go.jp/node/21161

WorldCatのレコードを体現形ごとにまとめるOCLCの“GLIMIR”プロジェクトの詳細(文献紹介)
Posted 2012年6月26日
http://current.ndl.go.jp/node/21195