大学生の教科書についての意識調査(米国)

2014年2月7日、米国のBook Industry Study Group(BISG)の行った、学生を対象とする高等教育のコンテンツに関する意識調査の結果の概要が発表されました。

この調査では、技術的な変化と学生の好みを反映して、伝統的な紙媒体の教科書が変化する様子を分析しているのことです。毎年2回、前年の秋に完了した調査を2月に、当年の春に完了した調査を7月に発表するとのことです。今回発表されたのは4冊目とのことです。また、今回は、ケンタッキー大学、オースティンのテキサス大学、オハイオ大学システムなどで行った、インタビュー調査の結果も含まれているとのことです。

本文は有料ですが、調査結果の一部(4冊目のパート1)の概要が紹介されています。

・2010年10月から2013年10月にかけて、正規の教材が必要ないコースを専攻していると回答した学生の割合は4%から11%に増加した。これは、学生が何を“必要とされている”と認識するのかがより柔軟になっており、教員に指示される代替教材の選択肢が増えている、あるいは購入を避けていることが示唆されている。
・学生によって報告される必要な教材は、1冊以上のコアとなる教科書から、新しいデジタルの代替手段へと向かっており、一方でオープンな教材はあまり影響力を持っていないようである。
・販売数が低調であるにも関わらず、特に既に電子書籍を購入している生徒は、タブレット版のテキストに強く興味を持っている。学生は、PDFや少なくとも25%は安い紙媒体の教科書よりも、タブレット版の教科書を好んでいるようだ。この調査はその他の調査でも示される学生の電子版への傾向を支持している。
・コース履修ために教科書を借りていると回答した学生は、昨年の春の19%から少し減少し、17%であった。2013年の秋には、教科書をレンタルすることについて、まあまああるいはとても満足していると回答しているのは75%である。

New Findings from Student Attitudes toward Content in Higher Education Survey(BISG, 2014/2/7付け)
https://www.bisg.org/news/new-findings-student-attitudes-toward-content-higher-education-survey

Student Attitudes Toward Content in Higher Education(BISG)
https://www.bisg.org/publications/student-attitudes-toward-content-higher-education

参考:
教科書に関する大学生の意識調査、電子版より紙を好むという回答が多数(米国)
Posted 2011年1月18日
http://current.ndl.go.jp/node/17467