世界31の“Informational World City”における図書館の中核的サービスに関する調査(文献紹介)

Libri誌の2013年11月号に、“Public Libraries in the Knowledge Society: Core Services of Libraries in Informational World Cities”と題する記事が掲載されています。ドイツのハインリッヒ・ハイネ大学の情報学部(Department of Information Science)のメンバーによるもので、世界の31の“Informational World City”(日本からは東京を含む)における公共図書館の中核的サービスについて、デジタルの側面と物理的な側面の両面から、ウェブ上の情報に基づいて分析したものです。

デジタルの側面については、OPAC、電子情報源(電子ジャーナルや電子書籍等)、デジタル化資料、デジタル形式のガイド、デジタルレファレンスサービス、ソーシャルメディア、携帯端末用アプリの各項目を分析し、また物理的な側面については、ランドマークとしての図書館、スペース、図書館内における飲食、RFID、資料返却の可能な場所、Wi-Fi、マーケティングの各項目を分析したとのことです。

アブストラクトによると、知識社会の典型的な公共図書館は、電子情報源やレファレンスサービスなどのデジタルサービスにより市民や企業等を支援し、また、都市のランドマークとしての建物において、会議や学習等のための物理的なスペースを提供している、という、2つの中核的サービスを有することが確認されたようです。

なお、総合的なスコアでみると、カナダのバンクーバーとモントリオールの2つの図書館が同ポイントでトップとなっています。

Public Libraries in the Knowledge Society: Core Services of Libraries in Informational World Cities
http://www.degruyter.com/view/j/libr.2013.63.issue-4/libri-2013-0024/libri-2013-0024.xml

Public Libraries in the Knowledge Society: Core Services of Libraries in Informational World Cities(Libri)
http://www.phil-fak.uni-duesseldorf.de/fileadmin/Redaktion/Institute/Informationswissenschaft/siebenlist/Lehre/PS_I2/libri-2013-0024_63-4-295-319_Mainka_Stock.pdf

Via.
Two Canadian cities have world’s best public libraries, survey finds(The Los Aangeles Times, 2013/12/21付け)
http://www.latimes.com/books/jacketcopy/la-et-jc-two-canadian-cities-have-worlds-best-public-libraries-survey-finds-20131220,0,1665035.story#ixzz2oSWAHktN