スマトラ沖地震・津波による被害を受けた図書館に対するオーストラリア国立図書館の支援・協力活動 / ジェニファー・ロイド

<コメント>

スマトラ沖地震・津波による被害を受けた図書館に対するオーストラリア国立図書館の支援・協力活動

ジェニファー・ロイド
(オーストラリア国立図書館資料保存課長)

Jennifer Lloyd
Manager of the Collections Preservation, National Library of Australia


 本日はお招きいただきありがとうございました。今回の津波において、オーストラリア国立図書館が行った活動を、IFLA/PACオセアニア・東南アジア地域センター長である当館のコリン・ウェッブ(Colin Webb)保存サービス部長の代わりに、簡単にご報告します。

  • 津波発生のニュースに素早く対応して、IFLA/PACオセアニア・東南アジア地域センター長は、インドネシア、マレーシア、モルディブ、フィリピン、スリランカ及びタイの各国立図書館とミャンマーの国立文書館の連絡先にどのような支援が必要かを尋ねるEメールを送りました。
  • スリランカのアマラシリ国立図書館長からは、被災した図書館の初期支援として、海水により被害を受けた紙資料の取扱い方について質問が送られてきたのでアドバイスを返しました。
  • 当座の必要性より、長期にわたる支援が有益であるとのメッセージも受け取りまして、この一言が、私たちのアプローチを方向づけました。インドネシアのダディ・ラフマナンタ図書館長の協力で、オーストラリア国立図書館のジャカルタ事務所の職員はアチェ州立図書館と連絡を取ることができました。そして、当館職員が5月にアチェを訪れた際、避難キャンプの住民に対して子ども向けと大人向けの娯楽書を提供しました。引き続きアチェの職員とは連絡を取っており、アチェ州立図書館の依頼に応じて学術書を提供する活動が進行中です。
  • オーストラリア政府と国民は、津波の被害にあった国々に対して図書館への支援を含めて、多くの支援を確約しました。しかし、次の3点から素早い対応は困難でした。

    − 必要な時に、現場で緊急復興の手助けをするための適切な資源が不足していました。アドバイスや精神的な支援以外に、この種の災害復興に送り込める訓練された人材がほとんどいませんでした。

    − 連絡機能が脆弱でした。関係する各国立図書館とはすぐに連絡をとれましたが、私たちができる支援を必要としていたかもしれない他の図書館と直接連絡をとれませんでした。

    − オーストラリアの文化機関間における地域災害支援の調整機能が不十分でした。オーストラリアでは、このたびブルーシード国内委員会が発足しました。今後はこの国内委員会が、図書館、文書館、博物館、その他関連機関が支援を行う上で効果的な調整機能を担うことを期待しています。