アチェ州における図書館とドキュメントセンターの復興・再建計画 / ダディ P. ラフマナンタ

<報告>

アチェ州における図書館とドキュメントセンターの復興・再建計画
Rehabilitation and Reconstruction Plan for Libraries and Documentation Centers in the Province of Aceh

ダディP. ラフマナンタ
(インドネシア国立図書館長)

Dady P. Rachmananta
Director of the National Library of Indonesia

 

1.背景

 2004年12月26日の朝、インドネシアのスマトラ島最北部の沖で海底地震が起こり、津波が発生し、インド洋沿岸の多くの地域に壊滅的な打撃を与えました。スマトラ島の中でも、とりわけ被害が大きかったのは、アチェ州北西部の沿岸地域と北スマトラ州の一部でした。およそ15万人の死者・行方不明者が出たほか、数十万人が負傷し、数百万人が家を失いました。都市インフラ、人命、財産はもちろん、国家遺産や文化財も大きな被害を受けました。インドネシア政府はこの大惨事をインドネシア史上最悪の国家的災害であると発表しました。2005年3月28日には北スマトラ州のシムル島、ニアス島付近を震源とするマグニチュード8.2の地震が再び発生しました。また、その後数ヶ月の間、重大な被害はもたらさなかったものの無数の余震が続きました。

 教育施設が破壊され、教師が死亡または負傷、あるいは行方不明となったために、教育・学習活動ができなくなってしまいました。津波は被災者に大きな苦痛をもたらしました。この津波による苦難を乗り越えるため、国家開発企画庁は、特に教育・図書館分野において、20の中央省庁およびアチェ州政府、大学、NGO、公人そして国際機関と、二者間あるいは複数者間で協力し、アチェ州およびニアス島、北スマトラ州等の被災地域における図書館やドキュメントセンターを含む保健・教育・社会福祉分野の復興・再建計画を準備しました。  インドネシア国立図書館は、被災地域におけるさまざまなタイプの図書館の復興・再建計画の立案を求められました。国立図書館としての主要な義務と使命にもとづき、また議会や国家開発企画庁(BAPPENAS)、社会福祉調整大臣、および国内外のその他の団体の要請に応え、国立図書館はアチェ州に実地調査に出かけました。調査団の主要な目的はバンダ・アチェ(アチェ州首都)近隣のさまざまな図書館やドキュメントセンターの一般的な状況を調査し報告することでした。

2.復興・再建計画の目的

 図書館(とくに公共図書館や学校図書館)を対象とした復興・再建計画は、次のようなものです。

  1. 「すべての人に図書館を(Libraries for All)」:生涯教育という枠組みの中で9年間の義務教育を下支えするため、図書館サービスの範囲をすべての住民および学齢にある子どもたちに拡大・拡充すること。これには、読書推進活動などが含まれます。
  2. 図書館サービスを拡充し、図書館と地域社会や国全体の発展との関連性を深めることにより、教育の質を向上させ、社会的重要性を高めること。ここには、国際標準を満たすこと、地域のニーズに合わせた蔵書構築、図書館職員の質・量の充実および専門性の強化などが含まれます。
  3. 図書館システムを発展させて、図書館サービスをより組織化すること。家庭教育・学校教育問わず、あらゆる系統、あらゆる種別、あらゆるレベルの教育についてこれを行います。州や市町村レベルで図書館施設を再活性化すること。図書館に対し十分かつ継続的に予算を割り当てること。基本的権利、投資と資産、市民参加を促進するものとしての図書館の重要性を社会に広め、擁護すること。
 

3.復興・再建計画の方針と戦略

 復興・再建計画の方針は次のようなものです。

  1. 一般市民および被害を受けた学校の生徒たち向けの緊急時図書館サービスを運営する。
  2. 「すべての人に教育を(Education for All)」:あらゆる階層の住民、学齢にある子どもたちに対して図書館サービスを普及する。とくに、読書推進活動などを通じて、生涯学習という枠組みの中で9年間の義務教育を広く普及させる。
  3. 図書館の質を向上させる。
  4. 図書館サービスをより組織化する。

 図書館分野で採られた戦略は、以下のとおりです。

  1. 移動図書館を運営するなど、緊急対策期間における一時避難地域への図書館サービスの提供を行う。
  2. 住民がいる地域を優先して図書館施設の復旧作業を進める。
  3. 被災により住民がいなくなった地域には、住民が戻ってきた後に住民数や生徒数を勘案して破壊された図書館施設の再建を行う。
  4. 住民および生徒の図書館への行きやすさを考慮する。
  5. ボランティアを募ったり他地域からの移動希望者を募ったりして、死亡あるいは行方不明になった図書館職員を補充する。
  6. 流動的な措置により、政府・一般市民・民間部門の力を結集する。
  7. 事業や組織の枠組みを超えて連携する。
  8. 透明性・アカウンタビリティ・市民参加をはじめとするグッド・ガバナンスの原則を導入する。

 加えて、科学技術分野では次のような方針がとられています。

  1. 災害による被害、とりわけ地震や津波による被害を防止するため、地域の伝承も考慮に入れつつ、被害防止に必要な知識・心構え・備えの周知に努める。
  2. 早期警報システムを確立する。
  3. 社会・経済・文化・保健・教育および図書館環境を支える適切な技術を用いる。
 

4.教育機関の被災状況

 2005年2月2日までに、被害が報告された教育施設は1,755施設に上り、その中には学校、マドラサ(イスラム宗教学校)、大学が含まれ、災害前の教育施設のおよそ23.3%にあたります。また、被害を受けた学校教育外の教育施設は2,206施設に上り、その中には幼児教育施設(PADU)、公共学習活動センター(PKBM)、講座学校、コーラン教育センター(TPA)が含まれます。さらに、ペサントレンと呼ばれるイスラム寄宿塾174校も被害を受けました(表1参照)。

 上記の数字は内務省の発表に基づくものです。被災当初、各地域の被害見積もりとして出された、アチェ州の学校またはマドラサ1,962校、ニアス島の学校またはマドラサ104校が被害を受けたとする数字とは異なります。教育施設そのものだけでなく、それを支える各種施設・インフラもまた地震によって被害を受けました。各州、各管区、各市町村にある教育品質管理機関(LPMP)、学習活動センター(SKB)、教職員宿舎などです。建物だけでなく、備品や設備機器も被害を受けました。図書館の蔵書や目録もまた、被害を受けたり、完全に破壊されたりしました。しかしながら、このような自然災害および人為災害は、関係者がこのような災害に対して備えていたならば予防できるものです。つまり、災害対策計画が用意されなければならないのです。

 一方、地震・津波によって死亡または行方不明になった教師および教育従事者の数は、およそ2,500人です。また、死亡した生徒の数は40,900人です。およそ3,000人の教職員がその財産を失い、46,000人の学生が避難を余儀なくされ、すべての教育レベルを合わせると15万人の学業が中断しました。

 

表1:アチェ州における教育機関の被災状況

No. 教育レベル 教育機関の数
災害以前 災害後
全壊 中規模被害 軽微な被害
1 幼稚園 823 102 1 103
2 小学校 5,061 930 8 282 1,220
3 中学校 1,062 228 2 36 266
4 高等学校 572 120 1 21 142
5 大学 不明 17 1 18
6 養護学校(SLB) 10 2 1 3 6
  小計 7,528 1,399 12 344 1,755
7 幼児教育施設(PADU) 不明 27 27
8 公共学習活動センター(PKBM)、
地域読書センター(TBM)
不明 49 49
9 講座学校 不明 9 9
10 イスラム宗教学校 201 59 59
11 イスラム寄宿塾 877 174 174
12 コーラン学校(TPQ) 不明 936 936 1,872
13 学習活動センター(SKB) 不明 11 11
14 教育活動開発センター(BPKB) 不明 1 1
15 地方教育協議会(MPD) 22 4 4
  小計   1,270 936 2,206
  合計   2,669 12 1,280 3,961
 

5.実施済みおよび実施中の取り組み

 公共図書館や学校図書館、大学図書館における図書館サービスの運営を確保するため、政府は国内外の機関やNGOと協力して、既に2,400か所の避難キャンプ等に図書館の仮施設と図書資料を配置しました。とりわけ、アチェ州立図書館(Regional Library Agency of Aceh: BPD)については、サンポエルナ財団が、建物をはじめ、家具や電子機器など被害を受けた設備の修理と再建に貢献しました。オーストラリア国立図書館(ジャカルタのオーストラリア大使館を通じて)、マレーシア国立図書館、シンガポール国立図書館、インドネシア出版者協会(Indonesian Publisher’s Association: IKAPI)、そしてインドネシア国立図書館が図書資料を援助しました。

 学校と一時避難地域において通常と同じ図書館サービスを保証するため、インドネシア国立図書館は首都バンダ・アチェのアチェ州立図書館に2台、ロクスマウェ市立図書館に1台の移動図書館を提供しました。アチェ州の図書館サービス復興のために必要な図書やそのほか必要な備品類の寄付を約束してくれた団体は他にもいくつかありました。バンダ・アチェ市外の被害状況の調査はいまだ進行中です。

 

6.今後実施予定の活動

  1. 図書館システムを発展させ、公共図書館や地域読書センターをも含むあらゆる種類の図書館にそれを浸透させます。
  2. 図書館サービスの質を向上させ地域および国の発展への関連性を強化します。
  3. すべての住民および学齢の子どもたちにとって図書館サービスにアクセスする機会を広げます(「すべての人に図書館を」)。また、生涯学習の枠組みの中で人々の学習機会を広げます。
  4. 積極的・創造的・効果的学習のために役立ち、地域のニーズに即した蔵書を構築します。
  5. 司書、教師、指導員、図書館オブザーバー(図書館友の会等)などの図書館職員・図書館担当者の数を増やし、質・専門性を向上させます。図書館員の職能団体(インドネシア図書館協会)が質の高い図書館職員の供給に貢献していることを広報します。
  6. 図書館職員の福利厚生および法的保護を強化します。
  7. 僻地に住む図書館管理職候補のための教育・養成プログラムを準備します。
  8. 公共機関および民間企業の図書館への関与と、学校教育外の教育の場としての家庭の再活性化を促進します。
  9. 図書館の施設とインフラを復旧・再建・新設し、資料や設備の提供、情報通信技術の開発でそれを支えます。合わせて、図書館間の効率的なリソースシェアリングを促進します。
  10. 図書館職員が災害体験による心的外傷から回復できるように指導とカウンセリングを行います。また、宗教的あるいは文化的アプローチによる心的外傷に対するカウンセリングのモデル・ケースになります。
  11. 州・自治体の宗教省の地方局や教育施設を含め、図書館組織の再活性化を行います。
  12. 図書館に対し十分かつ継続的に予算を割り当てます。
  13. 基本的権利、投資対象、そして資産としての図書館の重要性を社会に周知し、擁護します。
  14. 高品質で持続可能な図書館および公共読書センターなどを各地域に設立するために積極的な役割を果たせるよう、公的権限を強化します。
  15. 研究開発および図書館情報システムの持続的な利用を含め、図書館組織の業務遂行力の再検討および改善を行います。
  16. 継続的な調査や監視を行います。
 

7.復興・再建活動の方針

 図書館の復興・再建事業は、基本的には以下の方針に従って行われる予定です。

  1. 利用者中心
    図書館サービスの復興においては、一般市民や学生の需要に応えられるように努力します。災害復興ストラテジーは、公共の福祉を十分に考慮に入れ、地域社会のニーズを無視しません。
  2. 国および自治体の図書館システムの発展計画の一環であること
    緊急事態に対応しなくてはいけないことに加え、被災地域の図書館発展ストラテジーは、持続的発展を保証するため国および自治体の政策に適合していなくてはいけません。
  3. 成功事例に学ぶこと
    バンダ・アチェ周辺およびその他の地域で起きた過去の災害からの復興事例を参照します。
  4. 効率性とアカウンタビリティを重視すること
    無駄のない適切な支出によって災害後の復興・再建計画を効率的に実行するために、アカウンタビリティと透明性の確保が重要な要素です。
  5. 差別をしないこと
    図書館サービスの提供は地域社会のすべての人にとって、差別のない平等なアクセスを保証します。以下のようなガイドラインがあります。
    −身分証明書や学位、成績表、住民票、出生届などの書類の欠如を理由に個人に対し図書館の利用を制限してはならない。
    −年齢、社会的地位、宗教、人種、民族による差別をしてはならない。
    −中退した生徒に図書館を学校教育外の教育の場として利用することを奨励する。
    −恵まれない子どもたちや社会的弱者に対し一層の配慮を行う。
 

8.復興・再建の段階

  1. 緊急対応段階
    被災した一般市民および生徒に対する図書館サービスの再開を目標とします。避難民キャンプへの仮設図書館の設置および移動図書館運営、機能回復のための図書館施設の清掃、ボランティアを含めた図書館職員の一時募集、図書館資料と教育用品の提供、災害による心的外傷を受けた地域住民、学校の生徒、図書館職員に対する指導とカウンセリングの提供を行います。
  2. 復興段階
    地域住民と学校の生徒の災害後のニーズに適応した図書館システムの再建、図書館職員の補充と研修(とくに死亡または行方不明になった図書館職員の代わりの配属者)、図書館資料の供給などによって、図書館施設がサービスを提供するための機能を確実に回復するようにします。特に、アチェ州においては、いくつかの地区における武力衝突やアチェ・タミアン地区の洪水のために破壊された図書館施設の改装も行います。
  3. 再建段階
    最低限の基準を満たした図書館サービスの確立と、人口増加に伴って地域のニーズに応じた良質の図書資料の整備を行うなどしてサービスを拡充していきます。継続的な図書館情報システムを構築します(表2参照)。
 

9.各段階における達成指標

 以下は図書館の復興・再建過程における達成指標です。

  1. 緊急対応段階
    1. 被災した地域の住民、学校の生徒が図書館サービスを享受することができること
    2. 図書館の臨時サービス施設やインフラが適切に機能すること
    3. 図書館の臨時職員およびボランティアが必要数確保できること
    4. 図書館サービスの運営予算が十分かつ持続可能に賄われること
    5. 適切かつ必要とされる図書館資料が手に入ること
  2. 復興段階
    1. 被害を受けた図書館施設やインフラの復旧
    2. 必要な図書館職員の確保
    3. 図書館職員の教育・訓練
    4. 国の中央図書館、州立図書館、市町村立図書館の図書館システムの統合と連携の促進
  3. 再建段階
    1. 被害を受けた図書館施設やインフラの復旧
    2. 各教育段階における図書館の役割の災害前に比べての向上(2009年まで)
    3. 州立図書館、市町村立図書館における図書館システムの改善
    4. 図書館員の職能団体の役割の拡充
    5. 図書館情報システムの構築
    6. 地域読書センターの再活性化及び宗教的活動・社会的活動・教育活動を行う宗教施設の図書館の再活性化
    7. 一般市民および学校の生徒の読書活動の促進
 

表2:アチェ州における図書館の復興・再建プロセス概要

No. 項目 教育分野
1 プログラムの名称 読書推進活動、図書館の発展
2 活動の名称 読書推進活動、図書館の発展
3 目標 ・施設とインフラを利用可能とする
・地域住民と学校の生徒の読書習慣を拡大する
4 対象者 学校の生徒、地域の住民
5 対象地域 緊急対応・復興段階:被災地域に集中
再建段階:アチェ州のすべての区、北スマトラ州のリアウ及び南リアウ区
6 活動範囲 図書館及び地域読書センターの施設・インフラの調達
7 達成指標 施設とインフラが利用可能になる
地域住民と学校の生徒の読書習慣が拡大する
8 スケジュール 緊急対応段階:2005年1〜6月
復興段階:2005年7月〜2006年12月
再建段階:2007年1月〜2008年12月
9 他プログラムとの関係 ワーキンググループ Ⅰ (区画計画)
ワーキンググループ Ⅱ (組織機構)
ワーキンググループ Ⅲ (資金調達)
10 実施機関・責任者 教育省、宗教省、国立図書館、アチェ地方教育局、アチェ地方宗教局、地方・市の教育施設、 各区・都市にある宗教省の地方局
11 費用見積 5,000億ルピア(500万米ドル)
12 財源 国家予算 、地方予算、地域や民間セクターの出資、外国からの援助(補助金や貸付金)
 

10.復興・再建活動の実施方針

 アチェ州、ニアス島、北スマトラ州における地域の復興・再建計画は、次のような基本的な方針に基づいて実施されます。   
  1. 企画・実施・監視・評価のプロセスを、中央政府、州政府、自治体政府、大学、公人、NGO、寄付団体および民間企業といったすべての関係者によって統合的に行う
  2. 国・州・市町村の予算、寄付や貸付といった外国からの援助および民間部門からの寄付を統合して資金をまかなう
  3. 復興・再建計画に一般市民が参加する
  4. 透明性とアカウンタビリティを原則とする
  5. 地域の人口構成を考慮に入れた教育・図書館サービスの提供を行う
 

11.ニーズ調査、監視、評価

 ニーズの変化に対応するため、ニーズ調査、監視、評価の活動は、次のような原則に従って緊急対策段階の最初から再建段階まで集中的にそして継続的に行われなければなりません。

  1. ニーズ調査
    • 現在の流動的な状況を考慮に入れ、被災地域の教育・図書館に対するニーズの調査は、その時々の必要に応じた活動を行えるよう、定期的・継続的に行う
  2. 監視
    • 基本方針からの逸脱があった場合に早期に発見し修正できるよう監視システムを用意する
    • 子どもやその親、被災者など地域住民が参加する監視活動を行う
    • 最新の傾向と意思決定の必要性を知ることができるよう、監視システムおよびデータベース・システムを定期的に改良する
    • 意思決定者に対し、データの変化に関する情報およびその他の情報を定期的に提供する
    • 監視活動で得た情報に基づき、必要に応じてプログラムに修正を加える
  3. 評価
    • 救済事業の全体的な効果を把握するため、方針・プログラム・効果について数的・質的評価を実施する
    • 中央政府、地方自治体、教師、生徒、社会的弱者も含めた一般市民の参加を得る
    • 透明で偏りのない方法で被災者団体およびその他の団体から情報を集める
    • 同様の問題や状況に対応する際の参考にしてもらえるよう、地域および国内外へモデル・ケースを発信する
 

12.結語

 アチェ州、とくに北部および北西部は地震の直撃とそれに続く津波によって大きな被害を受けました。住民の多くが亡くなり、行方不明者、負傷者もたくさんいます。多くの文化施設が破壊され、回復不可能になった施設もあります。

  1. さまざまな図書館やドキュメントセンターが大きな被害を受けました。
  2. アチェ州立図書館は建物および設備の損壊を被り、蔵書も壊滅的に失われました。
  3. アチェ州立図書館は、行方不明となった館長やその家族も含め、23人の職員を失いました。
  4. 国立図書館長はアチェ州知事代行を見舞い、州の図書館システムの復興・再建計画について話し合いました。
  5. 国立図書館は、破壊された各種図書館への援助を行います。アチェ州立図書館にはフル装備の移動図書館2台提供し、引き続きその他の公共図書館にも同様の援助をします。
  6. 国立図書館長は、この問題について関心がある他の団体とともにアチェ州立図書館およびその他の図書館を援助する方法について話し合いました。
 

13.提案

  1. アチェ州にフル装備の移動図書館を送ってください。
  2. アチェ州立図書館、アチェの学校図書館、バンダ・アチェの大モスク図書室にできるだけ早い時期に図書資料を提供してください。
  3. 国内外のさまざまな機関と、このような状況において図書館がかかえる問題を話し合う調整会議の場を作ります。
  4. アチェ州の知事代行との話し合いの成果を実行に移し、国内外の他団体からも援助を得られるよう尽力します。
  5. アチェ州立図書館およびバンダ・アチェをはじめとする被災地域の他の図書館・ドキュメントセンターの復興のために必要なものの購入リストを至急作成します。
  6. 災害で被害を受けたり失われたりした原資料(アチェ州ドキュメンテーション及びインフォメーションセンター(PDIA)、美術研究・伝統文化部などの施設が所蔵していたもの)の代替物として、アチェに関する文献や歴史的文書の複製物を提供し、アチェの歴史と遺産を回復し保存します。
  7. 陸路からは未だアクセスできない周縁地域の公共図書館・学校図書館などとの連絡窓口を復旧させます。
  8. アチェ州立図書館を国立図書館と州政府および州内の他の機関や海外の相手機関との連絡の窓口とします。
  9. 関係者および政策決定者の意識を喚起するため、災害対策計画策定プログラムを提案します。