14分野を対象としたゴールドOAおよびグリーンOAの比率・成長率調査(文献紹介)

学術論文をオープンアクセス(OA)にする方法には、OAジャーナルへ投稿する方法(ゴールドOA)と、機関リポジトリ等にセルフアーカイブする方法(グリーンOA)の2通りがあります。この2種類の方法の比率や成長率を調査した論文“Green and Gold Open Access Percentages and Growth, by Discipline”が、英国サウサンプトン大学の機関リポジトリで公開されました。著者には、同大学のStevan Harnad氏も含まれており、2012年9月にカナダで開催される国際会議用の論文のようです。

この論文では、14の専門分野を対象にそれぞれ1,300件の論文を無作為抽出し、それらがOAであるかどうかをロボットを使用して調査しています。調査は、2009年(1998年~2006年に出版された論文が対象)と2011年(2005年~2010年に出版された論文が対象)の2回行われています。2011年調査の結果によると、生物医学分野以外の分野においては、比率および成長率ともに、グリーンOAがゴールドOAを大きく上回っていました。また、OA全体の成長率は年1%程度と低いものの、各研究機関がセルフアーカイブを義務化すればグリーンOAの割合は3倍程度になり、成長率も加速するだろうと試算しています。

Green and Gold Open Access Percentages and Growth, by Discipline
http://eprints.soton.ac.uk/340294/