米国の大手出版社ランダムハウスが図書館向け電子書籍の販売価格を3倍に値上げ

米国の「ビッグ6」に数えられる大手出版社のランダムハウス(Random House)社が、2012年3月1日に図書館向けの電子書籍の販売価格を値上げしたと発表したようです。価格が3倍になるものもあるようで、The Digital Shift誌にはその概要と合わせて米国の図書館の声や同社のスポークスマンから寄せられた声明が取り上げられています。声明の内容は以下のようなものです。

・電子書籍の新価格は紙書籍版の刊行状況に合わせて決まり、原則として「新刊については65~85ドル」「刊行から数か月が経過した(ペーパーバックが刊行される頃)ものについては25~50ドル」「子ども向けの新刊については35~85ドル」「子ども向けの既刊やペーパーバックについては25~45ドル」というものである。
・紙書籍版の価格により、上記の範囲を上回る/下回ることもある。
・図書館向けオーディオブックについても同様である。
・この値上げは、既に購入済みの電子書籍については影響しない。

また、同社は、図書館に対して電子書籍の利用状況に関するデータを提供するよう要望しているようです。そのようなデータがあればより適切な価格を決定することができるが、現在は、同社の電子書籍の有用性(回数制限なく永久に貸出できることとや、一般向けの販売開始から遅れることなく利用できるようになること)を考慮して価格設定を行ったと、値上げの理由を説明しています。なお、ビッグ6のうち、貸出回数に上限があるハーパーコリンズ(HaperCollins)社のような制限を設けることなく、図書館に対して電子書籍を提供しているのは同社だけとのことです。

Librarians Feel Sticker Shock as Price for Random House Ebooks Rises as Much as 300 Percent(The Digital Shift 2012/3/2付け記事)
http://www.thedigitalshift.com/2012/03/ebooks/librarians-feel-sticker-shock-as-price-for-random-house-ebooks-rise-as-much-as-300-percent/

最大手出版社Random Houseが図書館向けeブックの価格を3倍に–それは必要悪か?(TechCrunch 2012/3/2付け記事)
http://jp.techcrunch.com/archives/20120302necessary-evil-random-house-triples-prices-of-library-e-books/

Random House Raises Library eBooks Through the Roof(The Digital Reader 2012/3/2付け記事)
http://www.the-digital-reader.com/2012/03/02/random-house-raises-library-ebooks-through-the-roof/

Libraries protest Random House price hike(Boston.com 2012/3/3付けニュース)
http://articles.boston.com/2012-03-03/business/31117831_1_e-books-libraries-paper-books

Libraries In Crisis: Urging Random House To Reconsider Pricing Decision(Huffington Post 2012/3/2付けニュース)
http://www.huffingtonpost.com/2012/03/02/libraries-in-crisis_n_1317234.html

参考:
公共図書館における電子書籍貸出に関する外国の大手出版社等の方針まとめ記事
http://current.ndl.go.jp/node/20260

E1156 – 米HarperCollins社,電子書籍の貸出回数に上限を設定
http://current.ndl.go.jp/e1156