カナダの公共図書館における電子書籍の現状と公共貸与権の導入可能性に関するレポート

元バンクーバー公共図書館長でカナダ図書館協会会長も務めたホイットニー(Paul Whitney)氏による、“Ebooks and Public Lending Right in Canada”というレポートが2011年6月付けで公開されています。このレポートは2011年3月から5月にかけて執筆されたもので、カナダの公共図書館における電子書籍の購入や貸出の現状について調査を行い、電子書籍に対する公共貸与権(紙の書籍に対しては1986年に導入)の導入可能性について検討されているようです。レポートの要約部分によると、カナダでは公共図書館向けの電子書籍市場が未発達で、特に、フランス語の電子書籍は図書館による購入も少なく公共貸与権が適用できるような段階ではないと指摘されています。また、2012年中にはDe Marque社が大規模な電子書籍プラットフォームを立ち上げる予定で、大量の電子書籍が公共図書館で利用できるようになるだろうとも記されています。

Ebooks and Public Lending Right in Canada (PDF:51ページ)
http://www.plr.ca/PLR/documents/FinalreportinEnglish.pdf

Public Lending Right Commission
http://www.plr.ca/PLR/default.aspx

参考:
CA1579 – 動向レビュー:公共貸与権をめぐる国際動向 / 南亮一
http://current.ndl.go.jp/ca1579