「ボスは誰だ?」 公共図書館民営化に対するアンケート調査の詳細レポート+受託企業へのインタビュー(米国)

2010年11月、米国コロラド州立図書館の調査部門ライブラリーリサーチサービス(Library Research Service; LRS)が、図書館経営の民営化に関するウェブアンケート(60-Second Survey)を行いました。その理由は、2010年9月26日にニューヨークタイムズ紙に掲載された“Anger as a Private Company Takes Over Libraries”をきっかけとして米国図書館界で民営化に対する議論が巻き起こったことだったそうです。

このアンケート調査結果の概要は12月に発表されていますが、7月12日付けのAmerican Libraries誌に掲載された記事“Who’s the Boss?”で詳細なレポートが発表されています。同記事では、以下の5つの質問に沿って、自由記述欄に寄せられたコメントや、図書館業務の管理運営を行っているLibrary Systems and Services社のスミス副社長へのインタビューも織り交ぜて議論が進められています。

・地域とのつながり強化や地域へのサービスなどの結果を達成するためには(公的、私的セクタの)どちらが運営するのが望ましいか?
・公共図書館で利用者のプライバシーを守るためにはどちらが運営するのが望ましいか?
・効率性やコスト削減のためにはどちらが運営するのが望ましいか?
・公共図書館は公的サービスとビジネスのどちらのように運営されるべきか?
・民営化は、雇用保証や手当などに対してどのような影響を及ぼすか?

Who’s the Boss? (American Libraries 2011/7/12付け記事)
http://www.americanlibrariesmagazine.org/features/07122011/who-s-boss

Our new American Libraries feature article– “Who’s the Boss”–is now available (LRS 2011/7/14付けニュース)
http://www.lrs.org/news/2011/07/14/our-new-american-libraries-feature-article-whos-the-boss-is-now-available/

Anger as a Private Company Takes Over Libraries (New York Times 2010/9/26付けニュース)
http://www.nytimes.com/2010/09/27/business/27libraries.html

米国:ALA、NYタイムズ記事「公共図書館の民営化」に反論(情報管理STI Update 2010/10/6)
http://johokanri.jp/stiupdates/library/2010/10/005099.html

参考:
米国での図書館民営化に関するウェブアンケートの結果概要
http://current.ndl.go.jp/node/17343